ここから本文です

若者の自殺防ごう 支援団体・専門家がネットワーク準備委

5/15(水) 0:10配信

北日本新聞

■課題や対策協議

 県内で若者の自殺率が高い現状を受け、生きづらさを抱える若者を支援する団体や専門家がネットワークづくりに動き出した。精神・発達障害などで悩む人を支えるNPO法人ここらいふ(富山市)の松本純子さんが発起人となり、14日に県総合福祉会館で初の「若者・生きづらさ寄りそいネットワーク」準備委員会を開いた。若者支援の課題や対策を話し合うほか、各団体が抱える資金面やマンパワーなどに関する悩みの解決方法を探る。(社会部・室利枝)

 この日の準備委員会には、医療・福祉関係者や自殺防止活動に携わる人ら10人が出席。松本さんが準備委の幹事となり、立瀬剛志富山大医学部助教と、明橋大二真生会富山病院心療内科部長がアドバイザーを務める。

 松本さんによると、精神障害者や難病患者らの家族会ではメンバーの高齢化が進むなど、民間の支援団体は人的にも資金面でも余裕がない状態。個々の活動だけでは、若者の自殺対策に十分に取り組むのが難しいという。

 来年3月まで、月1回のペースで委員会を開催。若者支援の事例を持ち寄って課題や解決方法を共有し、どのように行政や企業などに働きかけていくかも検討する。14日の初会合では参加者から、自殺志願者の低年齢化が進んでいるとして「18歳以下の子どもたちの支援も考えるべき」といった声が上がった。

 松本さんは「10~30代の死因のトップは自殺。そんな国は先進国では日本だけだ。若者の自殺は、社会全体で考えていかなければならない」と話している。


■自殺死亡率 県内ワースト12位

 県内の2017年の自殺死亡率(10万人当たりの自殺者数)は17・9人と、全国平均の16・4人を上回り、都道府県別でワースト12位だった。特に若い男性は80歳以上の高齢者とともに自殺率が高い。

 年代別の自殺率(15~17年平均)は、男性は20代が28・5人(全国25人)、30代が33・7人(同26・3人)、40代が32・1人(同28・6人)、女性は20代が13・1人(同9・3人)と、それぞれ全国を大きく上回った。

 自殺の原因(警察庁統計)で最も多いのは、うつ病や身体の病気、精神疾患などの健康問題。次いで経済生活問題、家庭問題、勤務問題が続く。県健康課によると、勤務問題はパワハラで心を病むなど20、30代の若者に多いという。ただ、県内の若者の自殺率が高い理由は「遺書がなくて原因特定できないケースも多く、分析は難しい」とする。

 悩みを抱える人の交流サロンなどを通して自殺予防に取り組む松本さんは「相談者は周囲に自分を否定されてきた人が多く、自己肯定感が低い」と指摘。発達障害があり、過去に自殺未遂を経験した県内の30代男性は「富山は障害への偏見が強く、親は子どもの障害を隠したがる。雇用者も障害者の採用に消極的で、働きたくても働けない」と、偏見が生きづらさにつながっていると訴える。

北日本新聞社

最終更新:5/15(水) 0:10
北日本新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事