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海外ファンドが温泉に投資拡大、後継者問題好機に

5/15(水) 5:00配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 「ONSEN」ーー。外国人旅行者向けサイトでも人気を集める日本の代表的な観光資源に海外ファンドが投資を拡大している。インバウンド需要の強さを背景に温泉施設の新設や既存のホテル・旅館の買収が熱を帯び、関連する不動産投資信託(J-REIT)の資産も増勢だ。

2月に大阪市湾岸部の高層ビルに巨大な温泉型テーマパーク「空庭温泉」を開業したのはソフトバンクグループ傘下の米フォートレス・インベストメント・グループ。不動産部門の最高投資責任者(CIO)であるトーマス・プリー氏は米国と大阪を何度も往復し、開発の陣頭指揮を執った。

自身も温泉と和食を愛するプリー氏は、「温泉は日本特有のもので、都会の温泉には大きな需要がある」とみている。個室露天風呂に置く信楽焼の湯船や栃木県から運んだ庭園のしだれ桜はこだわりのアイテムだ。外国人旅行者に加え、癒やしを求める働く女性客の獲得を狙い、利き酒のできる日本酒ショップや「ドラゴンボール」など1万5000冊のコミック本を置く休憩室も併設した。

フォートレスは日本で約90の温泉施設やホテルを展開しており、今後4年間でホテルなどを含む日本の不動産に最大4000億円を投資する構え。系列REITのインヴィンシブル投資法人では2018年に12件のホテルを取得し、運用資産に占めるホテルの比率は昨年末時点で64.1%と1年前から3.2ポイント上昇した。

競合のベインキャピタルも、15年に傘下に収めた大江戸温泉物語など30以上の施設を展開。3月に熊本県の「亀屋ホテル華椿」を取得し、4月には三重県で温泉リゾートを開業した。事業拡大へ全国で物件を募集している。温泉・温浴施設に特化した大江戸温泉リート投資法人の資産規模は367億円と1年間で約4割増えた。

米ファンドの温泉投資熱は金融市場でも注目を浴び、インヴィンシブルの投資口価格は今年に入り20%以上上昇。大江戸温泉リートも10%近く上げ、東証REIT指数の上昇率6.6%を上回って推移している。

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最終更新:5/15(水) 5:00
Bloomberg

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