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京都のてしごと「西陣絣(がすり)」って知ってますか? 伝承の危機に立ち上がった女性たち

5/16(木) 11:10配信

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先染めした糸を組み替えずらすことで模様を作り出す絣(かすり)。この西陣絣の魅力を伝え、次の世代につないでいくことを目的のひとつとして活動する「いとへんuniverse」の工房にお邪魔し、お話を伺って来ました。

「絣」とは?

私たちが普段目にする着物の模様は、様々な製法で作られています。
「染物」は、文字通り、筆などで絵柄に色を差したり、布に糸を巻きつけ部分的に染めることで形を残す絞り染めも、馴染みがあるかと思います。
一方の「織物」は、染め上げた糸で柄を織り上げていきます。京都西陣発祥の「西陣織」。「西陣織」と聞くと、きらびやかな帯の織物を想像する人もいるかもしれません。しかし実は「西陣織」には、「綴(つづれ)」や「経錦(たてにしき)」など様々な織り技法が存在しており、「西陣絣」はその技法のうちのひとつです。

「西陣絣」は庶民のカジュアルウェアだった

絹糸に紙を巻きつける部分、巻き付けない部分の幅を巧みに分け、糸を染め上げる。その糸を組み替えたりずらしながら経糸として並び上げていくことで文様を出す。糸を染める段階で、どんな柄になるかを考え、逆算して紙を巻きつける。
この絣加工の職人が、葛西郁子さん。青森県出身、大学時代に京都の大学で「糸」そして「織物」の魅力に魅了され、職人の道へ。現在この西陣絣の糸を作る技術を持っている職人さんは6名に減少。伝統伝承の危機に瀕しています。

ポリエステルに柄をプリントしただけの安易な着物でいいのか…

職人が減っている大きな要因は、「絣模様など織りの着物は格が高くない」という見方をする風潮にあるといいます。絣の模様の着物は、その素朴ながら味わいのある文様から、かつては庶民たちのカジュアルウェアとして着用されていたもの。フォーマルな場や華やかな場で着る染めの着物との住み分けがありました。それが、時代とともに「普段着として着物を着る」という文化自体が衰退し、着物は正装として着用されることの方が多くなっていきました。広報の白須さんはこう語ります。

「本当に着物を知っている人が見れば、絣の技術の精巧さやその価値は理解してもらえます。しかし、ルールを重んじる人からすると、「こんなフォーマルな場に場違いな着物を着ているわ」となります。普段のおでかけに着物を着る機会が無くなってしまった現代では、よほどの着物好きの人でないと、“高い技術のふだん着”というものを着る機会が、ないんです」

呉服業界の生き残り変遷の中で、華やかなものに希少価値をつけ高い単価で売っていく流れと、ポリエステルのようなものに柄をプリントしただけの安価な着物を提供する流れのちょうど中間、価値と手間がある割にかしこまった場で着用しづらい、という点が、絣の着物の存続に影響を与えてしまったのだといいます。

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最終更新:5/16(木) 11:10
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