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渋谷の書店、顔認証機能付き防犯カメラの導入検討 プライバシーの問題は?

5/16(木) 11:48配信

THE PAGE

対象者の顔画像を保存し、入店を検知

 東京・渋谷駅周辺の大型書店が防犯カメラと顔認識技術を組み合わせたシステムの導入を検討しています。小売店ではサービス拡充のため入店した顧客の顔を認識するケースがありますが、今回のケースは、複数店舗が共同で顔認識システムを活用するというこれまでにあまり例のないものです。日本では店舗において「万引き」と称する窃盗が行われていますが、こうしたシステムはどの程度の抑止効果があるのでしょうか。またプライバシーなどの問題はないのでしょうか。

 今回、導入が検討されているシステムは、顔認証機能を持った防犯カメラを設置し、対象者として把握した人の顔画像を保存。その人物が入店した際には、店員にアラームが流れ、警戒を強めることで再犯を防ぐという仕組みです。一部ではAI(人工知能)を活用しているとの報道もありますが、このプロジェクトに協力しているNPO法人「全国万引犯罪防止機構」では「AIは活用していない」としています。

 顔認識を使った大規模な防犯ネットワークと聞くと、街中に設置された大量の防犯カメラをネットワークで結び、AI技術を使って犯罪者などを割り出す中国の「天網」をイメージしますが、単純に対象者の顔画像を保存し、同一人物の入店を検知するだけですから、現在、公表されている情報においては、確かにAIと呼べるほどのものではないのかもしれません。

都内では防犯カメラの導入で犯罪認知件数が減少

 導入には賛否両論がありましたが、都内の繁華街ではすでに大量の防犯カメラが導入されており、警視庁の担当者が24時間体制でモニターしています。例えば渋谷では防犯カメラの導入以降、犯罪の認知件数は5年間で34%減少しているほか、池袋でも29%の減少となりました。歌舞伎町は、カメラ導入後、一時的には犯罪が減ったものの、再び増加するなど増減を交互に繰り返していますが、全体としては減少傾向を示しています。防犯カメラを導入すれば確実に犯罪を減らせるというわけではありませんが、それなりの効果があると判断してよいでしょう。

 一方で、こうした防犯カメラを広範囲に運用することについてはプライバシー保護や運用者による悪用などを懸念する声もあります。

 今回のプロジェクトでは、個人情報保護法に抵触しないよう留意しているとのことなので、入店者がすべて特定されるような仕組みにはなっていないと考えられますが、しっかりした運用体制にしなければ、悪用されるリスクもゼロではないでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5/16(木) 11:48
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