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静岡県立藤枝北高 農家民宿若い力で 山間地に人呼び込む

5/16(木) 12:04配信

日本農業新聞

 静岡県立藤枝北高校の生徒らが、浜松市天竜区水窪(みさくぼ)地区の住民と協力して、空き家を活用した民宿の立ち上げに取り組んでいる。同地区は市中心部から車で約2時間の山間部にあり、高齢化や過疎化が進む。民宿に人を呼び込むことで地域活性化につなげようと、空き家を改装し、滞在客に農業や文化を体験してもらう考えだ。2020年のオープンを目指し、PRや資金集めに奔走している。(古田島知則)

来年オープンへ地元住民と協力 浜松市天竜区水窪地区

 同地区は天竜川の上流、長野県と接する山間部にある。旧水窪町が浜松市に合併した05年以前は、人口3000人以上だったが、19年には2013人まで減った。65歳以上の高齢者が6割を占める。

 同校は15年から、地区特産の雑穀や野生鳥獣の肉(ジビエ)を使った商品開発などのプロジェクトに取り組んできた。18年には、1泊2日の農業体験ツアーを実施。今回は、一時的な企画ではなく年間を通して人を呼び込みたいと、民宿を検討した。

 民宿名は「水窪農家民宿 花笑み」で、4月29日に開いた第1回実行委員会で決めた。この委員会には生徒10人と、住民ら30人が参加。開業のための手続きや農業体験の内容を話し合った。

 築40年ほどの空き家を改修して民宿にする。営業許可を得るには、建物の補修や浄化槽の設置などが必要だ。そのため6月から、インターネットで出資を募るクラウドファンディング(CF)を始める計画だ。目標金額は500万円。

空き家改装CFで資金 農業、ジビエ解体…体験満載

 プロジェクトのリーダーを務める、2年生で食品サイエンス部部長の望月香里さん(16)は「昨年のツアーでも空き家を掃除して参加者に泊まってもらったが、課題も多かった。さらに過ごしやすい場所にしたい」と話す。

 民宿をPRするため生徒らはホームページを制作している。野菜や雑穀の栽培、ジビエの解体、山道の散策など住民らが講師となる11の体験教室の内容を盛り込む予定だ。いずれも生徒が一度体験したもので「水窪の魅力が伝わるホームページを作りたい」(望月さん)と意気込む。

 野菜栽培体験の講師を務める守屋銀治さん(85)は「水窪には、じゃがた(ジャガイモの在来品種)や雑穀、茶など特徴のある品目が多いが、作る人が減っている」と話し、生徒らのプロジェクトに賛同。ホームページ用の写真撮影などにも協力する。

 民宿の管理はNPO法人「こいねみさくぼ」が担う。代表の中政俊さん(62)は「人が来て楽しめる場所と、住民も生きていて楽しい場所とを両立させる。高校生たちの新しい感覚も含めて、全員の力を合わせて取り組んでいく」と話す。

 開業に向け、今年11月までには空き家の改修と行政手続きを完了させたい考えだ。

最終更新:5/16(木) 12:04
日本農業新聞

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