ここから本文です

中国EC法で爆買いにブレーキ、でも日本メーカーは「闇バイヤー取り締まり」歓迎

5/16(木) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「代購」と呼ばれる個人ブローカーを取り締まり、越境ECを推進する目的で、中国政府が電子商取引法(EC法)を2019年1月1日に施行した。日本ではインバウンド消費への逆風にもなっているが、メーカー側は「中国市場に本腰を入れて取り組む機会」と前向きに受け止めている。

【全写真を見る】中国EC法で逆風のインバウンド消費。日本メーカーは「闇バイヤー取り締まり」歓迎

違法ネットバイヤーには最大3200万円の罰金

「周囲の友達は、みな代購を自粛中です。罰金を考えたら割に合わない」

中国地方の大学院に通う中国人留学生(26)は、そう明かした。

中国に住む中国人の代わりに海外商品を購入して手数料を得たり、価格を上乗せして転売する「代購(代理購入)」ビジネスは、2010年代に入り中国人の間で急速に盛り上がった。留学生は、「日本にいる中国人留学生の10人中9人は、代購をやったことがあります。それが目的で留学する人もいるくらいですから」と悪びれずに話す。

売れ筋の商品をドラッグストアや量販店で大量に購入し、ネットショップやSNSで売りさばく彼らは、爆買いの原動力にもなってきた。

だが、こうした個人業者を取り締まるEC法が2019年1月に施行され、風向きは一変した。ECプラットフォームを通じて商品・サービスの売買する事業者は個人であっても企業と同様の登録と納税が義務付けられ、違反者には最大200万元(約3200万円)の罰金が科される。

EC法施行で7割が代購休止

中小企業の中国進出を支援するコンサルタントの日本人男性は、「中国のイベントで日本企業のブースを出展すると、個人業者が日本からスーツケースで運び込んだ商品を安く売りさばいている光景によく遭遇する。こちらは関税をきちんと払い、貿易の手続きをしているため、どうしても高くなってしまう。以前から不公平と感じており、グレーゾーンを明確にしたEC法を歓迎したい」と話す。

EC法はこうした不公平を解消し、消費者保護をも狙ったものだが、法律の内容が明らかになると、爆買いの恩恵を受ける日本ではむしろインバウンド消費への影響が懸念された。

バイドゥ(百度)の日本法人が在日中国人バイヤーを対象に2018年12月に実施した調査によると、約7割がEC法施行後に代購を休止する意向を示した。

法施行と同時に中国の空港で手荷物検査が厳しくなったとの情報が駆けめぐり、旅行者も日本での買い物を手控えるようになった。日本商品に特化した中国向け越境ECサービスを展開するInagora(インアゴーラ)の広報、板野可奈子さんは、「北京や上海のオフィスへの出張時にも、日本酒など高額品をお土産に持っていくのはやめました」と打ち明ける。

1/2ページ

最終更新:5/16(木) 12:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事