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【岡山から伝えたい】また新築は資金不足…仮設住宅に入居進むも「最長2年」に焦り 真備【再配信】

5/16(木) 13:50配信

山陽新聞デジタル

【再配信:内容は2018年10月9日の初出時点のものです】

 西日本豪雨の発生から3カ月が過ぎ、甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区の被災者は、仮設住宅をはじめ、民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」への入居が進んでいる。生活再建に向けて動き始めたとはいえ、見通せない将来や日常と異なる環境に焦りや不安は募るばかりだ。被災者の胸のうちを取材した。

【山陽新聞デジタル写真館】岡山豪雨

 「蓄えはなく、お先真っ暗です」。プレハブの仮設住宅80戸が並ぶ真備総合公園(同市真備町箭田)で生活する大西隼一さん(78)がため息を漏らす。

 自宅は浸水被害で全壊した。到底住める状態ではなく、近く解体する予定だ。被災前と同じように一戸建てに住むとしても、資金不足や高齢のため新築するのは現実的ではないと考えている。

 仮設住宅には9月下旬に入ったばかりだが「最長2年」という入居期間が頭から離れない。「期間内に行き先を決めないと…」。焦りをにじませた。

なじみのない地域、付きまとう不安

 倉敷市内の建設型仮設住宅は6カ所に266戸整備され、10月4日現在、257戸で引き渡しが終わった。みなし仮設住宅への入居は、約3千件で決まっている。

 倉敷市真備町川辺の自宅が全壊した加藤直仁さん(44)は、みなし仮設住宅に申し込み、9月上旬から家族4人でJR倉敷駅近くにある同市幸町のマンションで暮らしている。入居から約1カ月たつが、なじみのない地域での暮らしには不安が付きまとう。

 特に、小学生の息子2人のことが心配だという。マンションの目の前に幹線道路が延び、車の往来が絶えない。「周りに友達もいないし、子どもたちは外で遊ぶことがなくなった。ストレスがたまっていると思う」と話す。

 加藤さん夫婦は共働き。被災前は隣に住む両親が息子たちの面倒を見てくれていたが、その両親も被害に遭ったため、現在はマンションから数キロ離れた市営住宅で生活する。頼りたくても頼れない状況が夫婦の負担を大きくしている。

 自宅を改修して戻ったとしても、周囲の多くは仮設住宅などに転居し、知り合いはほとんど残っていないことが気掛かりだ。「避難所にいるときは互いに情報交換したり、励まし合ったりしていた。今もSNS(会員制交流サイト)で連絡を取り合ってはいるが、限界がある」と言う。

 今月に入り、倉敷市や総社市は見守りや相談を担う事業を立ち上げた。市社会福祉協議会の職員らが被災者宅を訪れたり、同じ地区の人たちが集まって顔を合わせることができる行事を開いたりする。避難所から、仮設住宅やみなし仮設住宅へ生活拠点が移るのに伴い、被災した人たちに対する「見守り活動」が重みを増す。

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最終更新:5/16(木) 13:50
山陽新聞デジタル

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