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【岡山から伝えたい】「住民の危機意識足りない」豪雨の初動対応、情報伝達に首長ら苦慮【再配信】

5/16(木) 14:50配信

山陽新聞デジタル

倉敷市長「反省と改善を繰り返す」

 <倉敷市では、小田川とその3支流で計8カ所が決壊した真備町地区に被害が集中、同地区だけで51人の犠牲者を出す大惨事となった。被害が大きかった同地区の小田川北エリアに市が避難指示を出したのは7月7日午前1時半。住民の証言によると、その時点で大量の水が住宅地に押し寄せていたという。降雨のピークが夜から未明だったことも重なり、結果的に多くの住民が逃げ遅れた>

 ―西日本豪雨で倉敷市は死者52人、住宅の全半壊は5400棟に上った。

 大勢の方が犠牲になったことに今も胸が張り裂ける思いだ。豪雨直後の人命救助や避難所開設、続く住宅の片付けや災害ごみの撤去を経て、仮設住宅への入居など多くの被災者が生活再建に向けて一歩を踏み出していける状況になった。被災者自身の大変な努力と、ボランティアの力添えのおかげだ。

 ―初動を含め対応に問題はなかったか。

 災害発生時、真備町地区の河川水位を把握するには市職員が現場に行くしかなく、情報を得るのは難しかった。その中で状況に応じて避難勧告や避難指示を出してきた。その後の見舞金や義援金の支給などについては、対象が(罹災(りさい)証明を発行した)5500件に上る。膨大な手続きに加え、職員にとって初めての経験でもあり、被災者に迷惑を掛けていることも多い。反省と改善を繰り返しながら全力で頑張っている。

 ―復興に向けた具体的な取り組みは。

 一人でも多く真備町地区に帰ってきてもらえるよう施策を進めていく。すでに学校園の今後の方向性は示し、中小企業や農業者への支援事業も打ち出した。肝心の安全面では、国が小田川と高梁川との合流点の付け替え工事の完成時期を当初計画より5年間前倒すことなどが決まり、大きく向上する。課題の洗い出しや計画の見直しは、今後考えていき、災害に立ち向かえる体制を構築したい。

岡山市長「効果的な手法を考える」

 <岡山市で最も被害が大きかったのは東区平島地区。旭川水系・砂川が決壊して大量の水が一気に流れ込み、約2200棟が被害を受けた。約120メートルにわたって崩れた堤防は仮復旧の状態で、本格復旧工事はこれから。国土交通省出身でもある大森雅夫市長のリーダーシップが期待されている>

 ―岡山市内では7700棟超の住宅が浸水や土砂流入の被害を受けた。

 市の役割は発生当初の人命救助、施設復旧、避難所運営から、今は被災者の生活再建支援に局面が移っている。元の生活を取り戻すためにやるべきことは山積だ。一つ一つ実行していかなければいけない。

 ―7月6日夜、市内のほぼ全域に避難指示を出したが、避難所に逃げた人の割合は0・5%に満たなかった。

 避難勧告や避難所開設といった情報をさまざまな手段で提供したが、確実に伝わらなかったケースもみられ、改善が必要だ。市内の住宅被害の約3割が集中した東区平島地区でアンケートしたところ、(携帯電話に一斉に知らせる)緊急速報メールの有効性が分かった。さらに平島地区では住民らが声を掛け合うなど地域の絆によって死者を出さなかった。こうした要素を踏まえ、効果的な手法を考える。

 ―庁内組織「課題抽出・検討委員会」を設け、新たな防災指針の取りまとめ作業に入った。

 市内でこれまで大きな災害がなかった。職員の対応に不慣れな点があったことは否定できず、被災者に迷惑をかけたことを謝りたい。委員会では豪雨対応を巡る各部局の課題を整理し、本年度末をめどに新たな指針の骨子をとりまとめる方針だ。地域防災計画の見直しにつなげ、来年度の予算編成にも反映させたい。

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最終更新:5/16(木) 14:50
山陽新聞デジタル

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