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【岡山から伝えたい】豪雨被害の家屋「公費解体」本格化へ 真備の被災者「新たな気持ちで前へ」【再配信】

5/16(木) 18:51配信

山陽新聞デジタル

【再配信:内容は2018年12月13日の初出時点のものです】

 西日本豪雨の発生から5カ月。被災した家屋を自治体が住民に代わって解体撤去する「公費解体」の工事は、多くの地域で年明け以降に本格化する。甚大な浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区でも工事が進む。「住み慣れたまちで暮らし続ける」「若い世代を呼び込みたい」…。被災者たちはさまざまな思いを胸に作業を見守っている。

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固い決意「住み続ける」

 12月6日、同市真備町辻田の平屋家屋。ガラス窓や屋根瓦が手作業で取り除かれ、重機で屋根や外壁材が壊されると、あっという間に鉄骨がむき出しになった。所有者は尾越秀男さん(67)。同じ団地内に家族が住む2階建てと、この平屋の2棟を持つ。いずれも高さ2メートルを超える浸水被害に遭い、建て替えることを決めた。公費解体は市が受け付けをスタートした9月16日に申請した。

 家族の思い出が詰まった家屋の解体に立ち会わない被災者が少なからずいる。だが、尾越さんは雨の中、作業を見届けた。「不思議と寂しさはなかった」ものの、当日は午前2時に目が覚めたという尾越さん。朝早くに同県総社市のみなし仮設住宅から現場に駆け付けた。

 新築の業者選びに資金繰り、もう1棟の取り壊し…。尾越さんには息つく間もなく、やるべきことが控えている。「真備は妻と子、孫が生まれ育った場所。住み続けると決めた以上、今日から新たな気持ちで前に進みたい」と固い決意を口にした。

「戻ってきて」とアパート再建

 同じく被災者の瀬本智さん(64)=同町尾崎=は、自宅近くに所有するアパートの再建に向けて公費解体を申請。12月1日から作業が始まっている。来年1月にも新築を着工し、春には入居者を募る予定だ。

 多くの住民が地区外のみなし仮設住宅などに移っている真備町地区。「若い人が戻り、アパートに住んでほしい」。そんな思いを公費解体制度や低金利融資が後押ししてくれたと言う瀬本さんは、こう先を見据えた。「地元の尾崎地区は真備の中でも過疎高齢化が進んでいる。若者の力でまちを活気づけ、復興への明るい兆しを見いだしたい」

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最終更新:5/16(木) 18:51
山陽新聞デジタル

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