ここから本文です

所有者不明 荒れる土地・・・誰のモノ/富山

5/16(木) 21:47配信

チューリップテレビ

 所有者不明の土地は全国で増え続け、今やその面積は九州を上回るとも言われています。
 16日富山市でも対策会議が開かれ、問題解決に向けて本格的に動き出しました。

 「向こうの奥の農地が現在、所有者なしの状況です」「今のところ相続される方がいないので、所有者無しという状況で」(土地改良区の理事長)

 土地改良区の理事長が案内してくれたのは、富山市内にある農地。

 「私の後ろにあるこの土地なんですが、以前は田んぼとして使われていましたが、今は管理する人がいなくなり、草も生えて荒れた状態となっています」(記者)

 土地の広さは、およそ500平方メートル。
 ところが、所有者がいったい誰なのか、分からないのです。
 隣接する農地では、宅地に改良する工事が行われていますが、所有者不明のこの土地は、手がつけられないといいます。

 「農地を借りる人もいませんし、誰が維持管理をしていくのか」(土地改良区の理事長)

 今、不動産登記簿などを調べても所有者が分からない、あるいは、所有者が分かっても連絡がつかない土地が、全国的に増え続けています。
 このような「所有者不明の土地」は、全国におよそ410万ヘクタールあり、九州の面積を上回るという推計も出ています。
 その形態は、農地や山林、宅地などさまざまですが、土地の売買が難しいだけでなく、管理する人がいないため、周辺の住環境を悪化させる要因ともなっているのです。
 こうしたなか・・・「会議には、自治体の職員のほか弁護士や不動産鑑定士など多くの専門家が出席しています。財産や権利が絡む問題だけに解決の難しさが予想されます」(記者)

 国も対策に乗り出しています。
 16日、富山市内で、国土交通省が開いた会議。
 来月施行される法律により、「所有者不明の土地」が利用できるようになることが説明されました。
 公園や集会所の整備のほか、町おこしイベントの開催など、地域のための利用に限られますが、国も対策に乗り出した格好です。
 今や社会問題となった「所有者不明の土地」。
 そもそも、なぜ、こうした土地が生まれるのでしょうか・・・

 「まず登記簿上の名義人から相続登記されていないというのが大きな原因ですね。それによって現在誰が所有しているのか分からない」(妹背司法書士)

 専門家は、「遺産相続の際に、誰が土地を譲り受けるのかを決めないまま、登記をせずに代替わりが続いていくと、相続人ばかりが増えて、土地の所有者が特定できなくなる」と指摘します。

 そのうえで・・・
 「土地の価値が低かったり、それから県外に出られたりして利用する予定のない土地だったり。そういったところにお金をかけて相続登記をしようという人が減ってきているんだろうなとは思いますね」(妹背司法書士)

 今の制度では、土地を相続する際に、所有者を決めて登記することが、義務付けられていません。
 司法書士などに依頼して登記をするには、少なくとも数万円の費用がかかるため、二の足を踏む傾向もみられるといいます。
 所有者が分からなくなっている富山市内の農地。
 この土地を購入しようとした不動産業者を取材すると、登記簿に記載された所有者がすでに亡くなっていて、子や孫などの相続人は、30人以上にのぼることが分かりました。
 相続人全員の同意が必要なため、不動産業者は、購入を諦めたといいます。

 「このままだとこの土地はどうなっていくんですか?」(記者)
 「耕作放棄というかたちで草が生え、管理するのも地元の人が大変迷惑な状況が発生してくるだろう」(土地改良区の理事長)

チューリップテレビ

最終更新:5/16(木) 21:47
チューリップテレビ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事