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ヒュンダイの日本再進出が無謀ではないかもしれないと思ういくつかの理由

5/17(金) 7:21配信

carview!

今年の東京モーターショーに大きなブースを構える予定

まだ少し先の話ですが、自動車業界の一大イベントである東京モーターショーが今年の10月24日に開幕します。その東京モーターショーに韓国を代表する自動車メーカー「ヒュンダイ」が出展し、日本市場に復帰するそうです。

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関係者によると、ヒュンダイは東京モーターショーで600平米ものブースを獲得しているとのことで、これはスバルやマツダといった中堅国産ブランド、あるいはVWやメルセデス・ベンツといった大手輸入車ブランドに匹敵する規模です。

ちなみに、2013年に商用車部門で出展していたヒュンダイブースの面積は約200平米。2015年には商用車部門での出展も取りやめているため、600平米というブース面積は明らかに異変と言えるでしょう。

ヒュンダイは2001年に日本に一度進出しました。日韓ワールドカップや「ヨン様」フィーバーもあって、2005年までは年間2000台を超える新車を販売していましたが、2008年には500台ほどにまで落ち込み、そのまま撤退することとなりました。

ヒュンダイが日本で売れなかった原因は、政治的・歴史的背景による心情的な部分もさることながら、そもそもの商品力の面で国産車に対抗する力がなかったことが大きいと考えられます。当時「ソナタ」という中型セダンが主力モデルとして販売されていましたが、競合は「トヨタ カムリ」や「ホンダ アコード」、あるいは「トヨタ クラウン」など国産車の中でも最も注力されているモデルばかりでした。

ソナタは国産車と同程度の価格で販売されていたため、積極的に購入する層は少なかったのだと思います。当時、「安くて質がいい」を強みに世界で販売していたヒュンダイですが、そのカテゴリーはむしろ日本車が古くから築き上げてきたものでもあったのです。

有名デザイナーを引き入れてレベルを上げてきた

乗用車は日本撤退しましたが、バスなどの商用車部門や研究開発施設は日本法人を残していました。日本での販売に関しては鬼門とされていましたが、一方でヒュンダイとそのグループ会社である「キア」のモデルは世界中で好評を博してきました。

特に評価されたのはデザインです。ヒュンダイグループは2006年に「アウディ TT」のデザイナーとして知られるペーター・シュライヤー氏をヘッドハンティングし、キアの最高デザイン責任者に迎えました。その後、同氏はヒュンダイの最高デザイン責任者も兼任することになります。それ以外にも日欧米の自動車メーカーから積極的に人材採用を行ったことで、ヒュンダイのクルマは品質面が向上し、さらにデザインも洗練されたものへと変化していきました。

「安くて質がいい」に加えて、「かっこいい」が加わったヒュンダイは世界中でシェアを伸ばし、2017年には800万台超の新車を販売する世界屈指の自動車メーカーグループへと成長しました。

そんなヒュンダイ車ですが、いま再び日本車と同じ土俵で勝負しても現実的には勝ち目はなく、10年前と同じ轍を踏む可能性が高いでしょう。日本は年間500万台の新車を販売する世界有数の市場ではありますが、90%近くを国産ブランドが占めていることに加え、輸入車のほとんどが欧州ブランドであることを考えると、前回同様1000~2000台程度の需要しかないと見るのが現実的です。世界で800万台以上を売るヒュンダイグループにとっては、あまりに割に合わない投資です。

ヒュンダイにとって日本でクルマを売ることは悲願ではありますが、ビジネス的にメリットを考えると韓国や世界で販売しているモデルをそのまま日本に持ってくることは考えにくいと言えます。そこで、ヒュンダイが武器とするのは、水素で走る燃料電池車、つまり「FCV」となることが濃厚と見られます。

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最終更新:5/17(金) 7:21
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