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ドキュメンタリー監督が『アメリカン・アニマルズ』を撮った意味。バート・レイトン監督【Director’s Interview Vol.27】

5/17(金) 12:00配信

CINEMORE

 アメリカの学生4人が起こした、実際の窃盗事件を映画化した『アメリカン・アニマルズ』。劇映画でありながら、ドキュメンタリーのように関係者本人のインタビューなどが挿入される、新感覚の演出が見られる作品だ。さらに、青春映画風やギャング映画風だったりと、場面ごとの映画の雰囲気が変化していく試みも画期的だ。一体、この斬新な手法はどこから生まれたのか?

 本作『アメリカン・アニマルズ』を監督したのは、イギリスの俊英バート・レイトン。これまでドキュメンタリー作品を手がけ、初の映画作品『The Imposter』(12)は、ドキュメンタリー映画で英国歴代最高収益を上げると同時に多くの賞を獲得。続けて撮った本作も高い評価を受け、その新鮮な作風に、批評家や映画ファンから熱視線を浴びている。

 このたび、そんなバート・レイトン監督に直接インタビューをする機会を得た。作品の演出意図や、そこに込められたメッセージに質問を絞り、レイトン監督に踏み込んだ話を聞くことができた。

ドキュメンタリーと劇映画

Q:前作のドキュメンタリー『The Imposter』も、本作『アメリカン・アニマルズ』同様に、“映画のような実話”を映画にした作品でした。しかし、本作は劇映画です。製作方法は全く違いましたか?

レイトン:最初の段階では本作も、これまでのドキュメンタリーと似ていたんです。実話の映画化ですから、まず本人たちの話を聞き取るリサーチが必要で、時間をかけて彼らにインタビューをしていくことで、それらを総合した全体のストーリーを把握する。これが最初のプロセスです。

 しかし本作ではフィクションの部分もあるので、次のプロセスで脚本を書くことになります。セリフを考えて、演出も計画して……。つまり、こちらの創作が入るということです。これはドキュメンタリーではしないし、してはいけないことですよね。

Q:本作ではドキュメンタリーの要素がドラマに組み込まれていたのが斬新でしたが、どのようにこの手法に行き着いたのでしょうか。

レイトン:確かにドラマをベースにドキュメンタリー要素を入れていくというのは、実験的な方法ではありました。今回、実話を映画化するにあたって、私は起きたことの“真実”を伝える新しい手段は何かないだろうかと考えました。そして、ドキュメンタリー監督の経験を活かし、フィクションとドキュメンタリーを組み合わせれば、より多角的に事件や人間の真実に光を当てられるのではないかと思い至りました。だから両方の手法の”いいとこ取り“をした、というのが本作なのだと思っています。

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最終更新:5/17(金) 21:03
CINEMORE

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