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巨人菅野が深刻“一発病”13被弾なぜ? 本人や相手打者ら8人に総直撃取材

5/18(土) 12:03配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 まるで別人だ。巨人のエース菅野智之投手(29)が15日の阪神戦で、自己ワーストの4本の本塁打を浴び、プロ初の2ケタ失点となる10失点と大炎上。現在リーグトップの5勝(3敗)ながら、今季の被本塁打は12球団ワーストの13本となり、早くもシーズン自己最多だった昨季の14本にあと1となった。防御率も4.36に悪化。2年連続で沢村賞を受賞した日本球界ナンバーワンの絶対エースに何が起きているのか。菅野本人、関係者、相手の選手などを総直撃。原因をあぶり出した。

■菅野「高めに投げた球は打たれていない」

 まずは菅野本人である。直撃したのは、阪神戦の前日14日。この時点ではリーグワーストの9被弾だった。今春のキャンプから「今年は高めで押し込む」というテーマを掲げていたことと関係はあるのか。菅野は「打たれ過ぎって言いたいんですか?」と複雑な表情を浮かべながら、こう続けた。

「でも実際打たれてるんで。原因? 高めで勝負する今年の方針? いや、意図して高めに投げた球は1球もホームランを打たれていないはずです。対策はシンプルに低めに集めるとか、そうなってくるんじゃないですか」

 菅野とコンビを組む同い年の捕手・小林はこう言う。

「打たれている球は、甘いといえば甘い。でも去年よりすごい甘いかといえば、そうでもない。1試合の中で甘い球は必ずあるもの。ソロならいいケースもあるし、終盤に走者をためてホームランを打たれないことが大事。原因? それは話し合っていますけど、智之はここ何年か、すごい投げていますから」

 昨季、日本球界で唯一、投球回数が200イニングに到達(202回)し、10完投も12球団最多だった。2017年のWBCでは侍ジャパンのエースとして奮闘。ここ数年、フル回転してきた影響から、本来は精密機械のような菅野の制球力に狂いが生じているという指摘が多い。

 阪神戦前の段階で宮本投手総合コーチに聞くと、「被本塁打? 打たれているのは甘いけどね。まあ、勝っているから(リーグトップの5勝)いいんじゃないですか。我々が気にすることじゃないでしょう」とあくまでエースの復調を待つ構えだが、水野投手コーチは「去年より甘いよね。高めで勝負している影響? そういうのもあるのかな。制球力だと思う。原因は疲れ? それはみんなに言えることだからね」と首をひねっている。

■「神宮が苦手なんだと思う」

 実際、本塁打を放っている他球団はどう感じているのか。

 昨季まで3年間、巨人で打撃コーチを務め、菅野から3本塁打のDeNAに9年ぶりに復帰した田代チーフ打撃コーチはこう指摘する。

「今年はボールに波がある。良い時と悪い時がハッキリしている。今まであれだけやってきた選手だから、疲れが出ているんじゃないか。自分が(チームの)柱だという責任感は巨人にいた時からすごく感じていた。何かをするというよりも、ゲームで引っ張っていくんだという気持ちが強い選手だった」

 打たれた13本の本塁打のうち、2発を放っているのは、ヤクルトの山田哲、阪神のルーキー木浪の2人。先月25日には青木、山田、バレンティンが3者連続本塁打で、菅野のプライドをズタズタにした。山田は「不調だとは感じないけど、やっぱり神宮が苦手なんだと思う。(4月12日に)東京ドームでも(1本)打ったけど、打たれる原因はやっぱりコントロールじゃないか」と振り返る。

 菅野は16年に初勝利を挙げるまで、神宮が「鬼門」といわれてきた。昨季はクライマックスシリーズでノーヒットノーランを達成するなど克服したとみられたが、レギュラーシーズンの神宮での登板は1試合ながら、球場別ワーストとなる防御率6・00。今季も同18・90と苦手がぶり返しているとすれば、今後の不安要素は増す。

 巨人を担当するヤクルトの西沢スコアラーは「コントロールは相変わらずいいイメージ。うちが打った時は、序盤に打たれ過ぎて少しガックリ来ていたというのも(被弾した)原因なんじゃないか」と精神面の異変を原因に挙げた。

■筒香は「何であの菅野さんが…」

 4月5日に一発を放ったDeNAの筒香の見方はこうだ。

「菅野さんは全部の球がすごく強いですし、変化球も緩くない。遅い変化球でも他の投手に比べて重さ、強さを感じるんですよね。(被弾が多いという)ニュースは目にするんですけど、僕の中では考えられないというか、何であの菅野さんがという感覚。僕が対戦した感覚では考えられない。そんなにホームラン打たれているんだと。(投球を)見て、これだったら打たれるなという球がないので『調子が悪い』と言われる意味が分からない」

 菅野から打ったのは、初回の3―1からの5球目。内角のスライダーだった。

「当たったって感じなので。ちゃんとあれを狙ってホームランを打てているのかといったらそうじゃない。劣っているどころか去年よりも球の強さを感じるので、他の選手が打っているのを見ると、『え、何で?』というのが正直なところです。去年より打ちやすいとか攻略したという感覚は全くない。いつもやられているイメージで、ホームラン打っても打った気がしない投手。ホームランを打っても『やられている』という感覚が残っているっていうのがすごみだと思う。そういう投手って正直、菅野さん以外にいない」

 菅野はこうも言った。

「今年は全体的にホームランが増えてますよね。ボールが飛ぶようになった? そうですね。まあ、それを言い訳にしちゃいけないですけど……」

 こんな“弱音”が出るほど、追い込まれているのかもしれない。

最終更新:5/18(土) 14:44
日刊ゲンダイDIGITAL

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