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高校時代の「もやし炒め」から始まった、若きシェフの中華道

5/18(土) 11:01配信

食べログマガジン

加えて、決め手となっ!?のは、高校時代、友人たちに作った“もやし炒め”。高校は宮崎の全寮制だった佐伯シェフ、毎日のように仲間と寮の部屋に集まり、集会をしていた時のこと。部屋にあった簡易なガスコンロで作ったにもかかわらず、「旨い旨い」と食べる同僚たちの姿に背中を押されたのだ。「中華料理ってダイレクトに美味しいでしょう?」

福岡の専門学校を卒業して上京。新宿「聘珍樓」に入る。当時、「聘珍樓」は、香港から招聘した謝華顕氏がグループ全店の総料理長に就任。この謝総料理長との出会いが佐伯シェフの目を香港へと向けさせた。

そして、24歳にして初めて香港へ渡る。それは彼にとって、まさに運命の岐路だった。「香港の活気に満ちた人や空気、エネルギッシュな食への探求心に痺れましたね。『ここで絶対に働きたい!』心底そう思ったんです」。その思いを、見事29歳で達成。香港・湾仔(ワンチャイ)の「家全七福」をはじめ名店4軒で働き、帰国後、シェフとして腕をふるっていたのが「楽記」だった。

「あの頃は、食材も調理法も出来るだけ香港と同じにして、香港と全く同じ味、スタイルにすることに必死でしたね。今思えば、そうしないといけない、みたいに思って、ちょっと自分を追い込んでしまっていたように思います」。

晴れ晴れとした笑顔でこう語る佐伯シェフ。今は気負うことなく、自分が美味しいと思う料理を自然体で作っている。

「僕の場合、広東料理を勉強してきた料理人なので、中華の調理法になるだけで、もうそれ以上そこには固執していません。ハムユイがなくなったら、アンチョビで肉餅を作ってもいい。今は、そう思えるんです」

「香港ラブ!」なシェフならではの品書き

とはいえ、これまでどっぷりと香港にはまり、今も変わらず「香港ラブ!」な佐伯シェフのこと、メニューに並ぶ料理は、やはり香港テイスト満載だ。

中でもご覧の“鳩の丸煮”は、佐伯シェフのシグネチャーディッシュ的一皿。その名の通り、広州の乳鳩(仔鳩)を、醤油と氷砂糖、八角に肉桂、メイグイルーチュウ(ハマナスの酒)を合わせたタレで煮込んだもの。

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最終更新:5/18(土) 11:01
食べログマガジン

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