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モード業界が熱視線を送る“アフリカ”。芽吹き始めた才能と未知なる可能性を探る

5/18(土) 21:11配信

ELLE ONLINE

キンバリーという小さな街で生まれ育った彼は、幼い頃何気なくウィメンズウェアのスケッチを描いたそう。それを見た母親が海外ファッション誌とスケッチブックを買って来て、「本気でやりたいなら毎日特訓しなさい」と言われ日々描き続けたことが、ファッションの世界へ入るきっかけだった。首都ヨハネスブルグのファッション専門校でデザインとフォトグラフィーを学び、インターンを経て自分の名を冠したブランドを立ち上げた。

「僕のコレクションは、幾何学模様のアフリカンプリントを用いた“いわゆるアフリカらしい”デザインではないかもしれない。そういう固定概念は壊していきたいと思っている。なぜならアフリカの伝統衣裳はシルエットやカッティングにおいて非常に実験的で巧妙だから、その部分を僕の作品に反映させて伝えていきたい」。新しいアフリカ発のクリエーションは、飽和状態にあるファッション業界において非常に新鮮に映る。

クリエーションは世界レベルなのに、輸出量が圧倒的に少ないという事実

あらゆる面で未来の明るいアフリカだが、一方で課題も山積みだ。2009年ケープタウンにセレクトショップ「マーチャンツ・オン・ロング(Merchants On Long)」をオープンさせたハネリ・ルパート(Hanneli Rupert)は、「インフラ設備や流通網が十分ではなく、圧倒的に輸出が少ない」と指摘する。「クラフツマンシップもクリエーションも十分世界に通用するレベルにもかかわらず、アフリカ大陸の一部の都市だけで止まっているのでは宝の持ち腐れだと感じる。小売や生産サイクルなどが機能する環境を整え、販売経路をグローバルに拡大することが今後の大きな課題」。

長年問題視されてきたインフラ設備や流通網については、アフリカ諸国が大陸全域を対象にした自由貿易協定(FTA)が発効されることで、改善されるとの見方は強い。実現すると隣国同士が手を組みインフラ整備が進められ、これまで閉ざされていた内陸国の医療環境や貧困の改善、そして関税の緩和によって大陸全体の経済成長に寄与する。アフリカ大陸間自由貿易協定は既に19カ国が手続きを終えており、2019年度中にも発効される可能性が高い。ヨーロッパによる植民地化、独立後の混乱や内戦といった不幸を乗り越え、アフリカは歴史の表舞台に立とうとしているのだ。

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最終更新:5/18(土) 21:11
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