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“先進国”日本が「IT先進国」エストニアから学ぶべきこと

5/18(土) 22:03配信

TOKYO MX

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。5月7日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「Forbes JAPAN」副編集長の谷本有香さんが、IT先進国・エストニアから学ぶべきことについて、意見を述べました。

◆行政手続きの99%が電子上で可能

「Forbes JAPAN」2019年6月号では、エストニアを特集しています。谷本さんは、3月に現地に赴き、さまざまな起業家に取材してきたそうです。「IT先進国」「電子国家」と言われるエストニア。国民には「e-Identity」と呼ばれる電子IDが配られ、これは日本のマイナンバー制度の大本の発想となったものだとか。

谷本さんによると、e-Identityは赤ちゃんが生まれると病院からナンバーが付与され、日本のように役所に行くなどの手間なく取得でき、「エストニアでは、結婚、離婚、不動産の売買以外、行政手続きの99%が電子上でできる」と言います。

そのほか、学校の宿題や出欠状況、親と学校とのコミュニケーションなど電子上で全てのやり取りができる「e-School」、自国にいなくても、どの国からでも選挙に投票できる「i-Voting」や「e-Health」「e-Cabinet」など、さまざまな最先端の制度が整っているそうです。

◆視察者の8割が「日本人」

そんなエストニアには、世界中から数多くの人が視察に訪れているそうで、そのうちおよそ8割が日本人なのだとか。視察では、テクノロジーをどう使うか、どう電子国家を作るかなどに目がいきがちですが、谷本さんは「そうではなく、エストニアがなぜ電子国家を作らざるを得なかったのかというところに注目をすべき」と声を大にします。

そして、現地取材を通して、日本がエストニアから学ぶべきと感じたこと3つを挙げました。

1.「危機実感」と「柔軟的対処」
エストニアは、1991年に独立を果たすまでロシアなどさまざまな国に支配されてきたため、いまだに他国から攻められることへの大きな危機感を持っていると谷本さんは言います。

いつ何時どんな国から攻められるかわからないなか、「何か起こったときにどうすれば国を維持することができるかと考えたのは、国民をデータ化すること。データを利活用することによって、何かが起きてバラバラになってもデータを集めれば、どんな形でも国はもう1回再生できるという考え方をした」と解説します。

2.「個」の上に成り立つ社会
谷本さん曰く“データ=人々”であり、エストニアの人たちは、自分が何をやりたいのか、自分自身がどんなアイデンティティを持っているのかを、とても重要視しているとか。そんな個々の統合体が国であるという考え方なんだそう。

3.「価値観」と「指標」
日本をはじめ資本主義社会で重要視される価値観は“GDPや利益をどれだけ出すか”などであることに対し「エストニアの人たちにとって、一番重要なものは“自由”」と言います。

さらには、「自分が何かを選択できる自由、自分自身が何をやりたくてどうありたいのか。まさにブロックチェーン社会のように、自立分散的に人々が信頼というボンドでつながっている。これがエストニアの成り立ちであり、そこを学ぶべき」と提言し、最後に次のように主張しました。

「自分自身のアイデンティティは何なのか、この国のアイデンティティとは何なのか。そこをもう一度問い直すべき」

お笑い芸人のパトリック・ハーランさんは、以前からエストニアに関心を寄せていたそうで、世界初の電子国民プログラム「e-Residency」の制度を紹介。ビザとは無関係のため、e-Residencyカードを取得しても、実際にエストニアに住めるわけではないものの、同国が自国民に提供している電子政府システムの一部を利用することができ、世界のどこからでもグローバルなEU企業をオンラインで経営する自由が得られるそうです。

最終更新:5/18(土) 22:03
TOKYO MX

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