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この世で最も古い病気ってなに?

5/18(土) 22:12配信

ギズモード・ジャパン

古代の病気か、あるいは現代でも珍しくない病か...。

素朴な質問を専門家に投げかけてみる「Giz Asks」シリーズ。今回のテーマは、この世でもっとも古い病気は何か。人類学の専門家に話を聞いてみると、そもそも「病気」といっても腫瘍、感染症、内分泌疾患...と、さまざまあるとしたうえで、エビデンスとしてDNAのほか骨から病気の“痕跡“がわかるのだといいます。

【画像】この世で最も古い病気ってなに?

人類の祖先に限らず、恐竜の時代までさかのぼると、意外なことに現代でも厄介な病気の名前がいくつか挙がりました。

Michelle D. Hamiltonさんの答え

テキサス州立大学 人類学 准教授

私の専門分野は骨格残骸であるため、骨に痕跡がみられたもっとも古い病気に着目したいと思います。

ただ、その前に注意したい点がいくつかあります。古代の骨格残骸から病気を診断するのは簡単ではありません。たとえば、骨の壊死が感染によるものか、あるいは腫瘍によるものか、似通った特徴から区別しづらいケースもあります。また、1)人間の病気の大多数がそもそも骨格系に影響を与えない(ペスト、インフルエンザ、天然痘、コレラなど)、2)骨を変性させる病気が死因であったとしても、変性が起きる前に亡くなることがあります。死因であるにも関わらず、その痕跡が現れる前に本人が亡くなることもあるのです。こうしたバラドックスは、専門家のあいだでもよく知られています。

さて、これらを前提として踏まえたうえで、パンゲアがまだ大陸であった約2億5000万年前までさかのぼってみましょう。もっとも古い病気であることを裏付ける直接的な証拠として、恐竜の骨格から肋骨に結核のような感染症の跡や腫瘍が確認されています。

人類やその祖先はどうかというと、恐竜に影響を及ぼしたものと同じで、かつ現代にも続くような病気を含むものが初期の骨からも発見されています。もっとも初期のエビデンスとして、約200万年前のヒト科アウストラロピテクス属の祖先や150万年前のホモ・エレクトスから癌のような骨の腫瘍が発見されています。

また、50万年前のホモエレクトスの化石から結核のような感染症の病巣が確認されています。結核は今日も世界中で活発で感染性が高く、既知の治療法には反応しない薬物耐性が懸念されている病気です。

遠い昔の人類に影響を与えたのと同じ病原体の多くは、現代にも残っています。それと同時に、新たな病気も頻繁に確認されています。HIV / AIDS、ハンタウイルス、SARS、鳥インフルエンザ、MERSコロナウイルス、エボラをはじめ、死者が出て初めて気づく病気の存在もあるのが恐ろしいところでもあります。

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最終更新:5/18(土) 22:12
ギズモード・ジャパン

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