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政府は失政を責任転嫁し命名「人生再設計第一世代」の怒り

5/19(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 政府は、就職氷河期世代の雇用安定化を図るため、教育支援などのプログラムを検討している。経済財政諮問会議で議論が進められ、対象となる氷河期世代は「人生再設計第一世代」と名づけられた。

 氷河期世代とは、1990年代半ばから2000年代前半までに社会に出た世代。ピーク時の00年は求人倍率が1倍を下回っていた。昨年の有効求人倍率は平均1.61倍だから厳しさが見て取れる。しかし、そうだとしても政府がつけた言葉はどこか他人事で、その世代の評判はすこぶる悪い。

「『再設計』って言われても、今まで自分たちでなんとかサバイブしてきているわけで、『何を今さら』って感じ」(38歳・女性)

「あの時代に対してきちんと振り返りがないまま支援されても、人手不足のところに一方的に就職を促されるだけ。また悲惨な目に遭うのでは」(42歳・男性)

 厳しい就職をくぐり抜け、20年前後の経験を積み重ねてきた当事者にとって、「今さら感」が拭えないのは当然だ。では、なぜ氷河期が生まれたのか。千葉商科大学専任講師で、働き方評論家の常見陽平氏が言う。

「企業は、バブル崩壊後の日本経済の混乱期に、正社員以外の採用を拡大するなど人材マネジメント方針を変更。さらに採用の抑制、大卒者の増加など、社会の変化によって生まれたのが就職氷河期です。決して当時の若者たちの自己責任ではなく、政策の失敗であり、企業の業績不安、方針の混乱を若者世代に転嫁したことによって生じた面もある。しかも、00年代前半になるまで若者問題は可視化されてきませんでした」

 政府の失政を「自己責任」として責任転嫁されてはたまらない。常見氏は支援そのものは評価できるが、不足していることもあるという。

「20~30代に対する雇用支援はこれまでも行われてきました。その事業がそれなりの成果を残しつつも、なぜ十分ではなかったか。そこを振り返る作業は必要です」

 たとえば、非正規の仕事をいくつか掛け持ちしている人には、支援を受ける時間がなかったといった事情は少なからずあったようだ。

「『正社員になるためなら何でもやれ』『仕事を選ぶな』という流れになることは阻止すべき。援助を受ける側の尊厳、プライドへの配慮が必要です」

「再設計せよ」という政府の上から目線ではダメなのだ。

最終更新:5/19(日) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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