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女子校、人気低迷に危機感 静岡県内、志願者回復へ各校工夫

5/19(日) 13:58配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡県内で女子校の人気低迷の傾向が著しい。2018年度は高校入試を行っている全6校(いずれも私学)のうち、4校で定員割れとなった。社会への男女共同参画が進む中、「女子だけの空間は嫌」「良家の子女が通うイメージで近づきにくい」など、生徒が敬遠する理由はさまざま。こうした中、各校は「女子校こそ女性の自立心が育つ」と自負し、志願者の回復に向け工夫を重ねている。

 母の日を翌日に控えた5月11日、藤枝市の藤枝順心中・高の教室に小学4年から6年の女子児童と保護者15組が集まった。児童らは高校生と一緒に、白地の布にステンシル型を当てて思い思いにハンカチをデザイン。「何色にする」「このあたりでどうかな」。語り合いながら母の日のプレゼントを作った。

 同校では、在校生と受験を考える小中学生が直接触れ合える体験会を年に5回以上開催。中学3年生向けには、美術デザイン科の生徒と一緒にデッサンの授業を受けたり、調理栄養科の実習を体験したりする企画もある。実際に在校生と触れ合うことで将来の具体的なイメージを持ってもらい、女子教育の良さを伝える狙いだ。市川滋久教頭は「交流することで雰囲気を伝えられる。親にも学校の様子を見てもらうことで安心感を抱いてもらえるはず」と話す。

 静岡市葵区の静岡英和女学院中・高は、日本文化を発信する女性の育成を目指し茶道や華道の授業を行ったり、男女共同参画についての研究に取り組んだりと、世界で活躍する女性の育成に力を入れる。浜松市の西遠女子学園中・高では、女性が秀でているとされる言語処理能力に着目。生徒がグループに分かれてディスカッションを行い、数式の成り立ちを考えたり、生物や天候に関する新聞記事を分かりやすく説明したりしている。

 「女子校の数が減少傾向にある中で、入学させようとする親も少なくなっているのでは」と語るのは西遠女子学園中・高の大庭知世校長。県内では主に2000年代から共学化が進んだ。男女共同参画社会の浸透と同時に、少子化で受験者数が減り、間口を広げようと共学に切り替える学校が増えたという。

 共学の高校に通う3年の女子生徒(17)=静岡市葵区=は「人間関係に苦労しそうで、受験の時に女子校は選択肢になかった」と語る。同校に通う別の3年の女子生徒(17)=同市駿河区=は「男性に慣れなくて将来恋愛できなさそう」と女子校にネガティブな印象を抱く。一方、共学の公立中から女子高に入学した3年生(18)=同区=は「入学前、女子校はぎすぎすしているのではと思っていたが、実際は親しみやすい友人ばかりだった」と笑顔を見せる。

 関係者によると、さまざまな行事のリーダーや力仕事などを女子が全て請け負うことも女子校の利点の一つという。静岡女子高の望月敬幸校長は「男女共学が必ずしも男女平等につながるわけではない」との見方を示し、「女性の政治参加や社会進出が十分とは言えない日本で、女子生徒に合わせた教育ができる女子校の役割は大きい」と強調した。



 ■志願倍率、年々低下

 静岡県内で高校入試を行っている女子高全体の平均志願倍率は、1999年度に1・65倍だったのに対し、09年度に1・37倍、18年度に1・09倍と低下している。学校数も減少傾向で、1999年に中高一貫校、高校合わせて12校あった女子校が、20年で8校に。2003年の静岡女子商業高(現城南静岡中・高)、04年の静岡精華中・高(現静岡大成中・高)、17年の浜松海の星高(現浜松聖星高)など、2000年代に共学化が相次いだ。

静岡新聞社

最終更新:5/19(日) 13:58
@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

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