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飼い猫が隣の車に乗って傷を付けた!飼い主の法的責任は…「行列」北村弁護士が解説

5/19(日) 10:00配信

デイリースポーツ

 ネット上にはかわいらしい猫の動画があふれている。猫パンチを繰り出す子猫の動画はしばし癒されるほどかわいい。しかし、猫には鋭いツメもあり、小さいけれど牙もある。人や、人が大切にしているモノを傷つけることは十分にある。もし、購入したばかりの新車のボンネットに隣家の猫が乗り歩き、傷を付けられたらと思うとだれもが心中、穏やかではいられないだろう。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に、飼い主が負う法的責任について尋ねた。

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 北村弁護士は「ペットの占有者は、ペットが第三者に与えた損害を賠償する責任があります」と飼い主には明確な法的責任があることを述べた。

 動物の占有者等の責任について民法718条に規定され「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類および性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない」と明記されている。

 加えて北村弁護士は、故意または過失によって他人に損害を与えた通常の不法行為と、ペットによる損害との大きな違いを指摘。前者であれば、被害者側が加害者(飼い主)の故意または過失を立証しなければならない。しかし、後者の場合は立証責任が逆転し、被害者側ではなく飼い主側が「相当な注意を払っていたこと、つまり過失がないこと」を立証しなければ責任は免れられない。

 「相当な注意」とはどの程度のものなのか。北村弁護士は「判例では、通常払うべき程度の注意義務としています」と述べ、一見簡単そうに聞こえるものの実際はかなりハードルが高いことを合わせて指摘した。どういうことか。

 猫とはツメや牙を持つ動物であり、それらで人やモノを引っかく、かむということは当然、予想される。にも関わらず放し飼いにし、結果、第三者や第三者の所有物を傷つけたとなれば、「飼い主が相当な注意を払ったとは認められにくいでしょう」と北村弁護士は見解を示した。

 では、飼い主側とすればどのような手段を講じることが有効なのか。北村弁護士によると、まずは、そのペットが他人に損害を与えないように十分に注意して飼うことが重要だが、さらに保険でカバーすることが有効な対策になるという。たとえば、自動車保険に「ペットプラス」という特約が付いているケースがある。これは、自動車運転中に事故にあい、搭乗していたペットが負傷したときの治療費のほか、ペットが第三者の所有物に損害を与えた場合に保険金が支払われる仕組みになっている。いわゆる物損の賠償責任はこれでカバーできる。

 北村弁護士は「ペットを飼う以上はペットの性質に応じて、場合によっては人損をカバーする保険に入っていることが必要です。極端な話、猫が人の目をひっかいて失明させることだってある。犬だったらかみついて人に大けがをさせることもある。人が重篤な後遺症を負った場合、賠償額は簡単に数千万円になります。動物というのは100%コントロールすることはできません。だから保険でカバーしなきゃいけないんです。逆に言うと保険でカバーすると訴訟になる可能性が低くなる」と指摘した。

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 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(まぐまぐ)」を配信中。

最終更新:5/19(日) 10:00
デイリースポーツ

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