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アストンマーティンを象徴するスポーツレーシングモデルとは?

5/19(日) 21:14配信

octane.jp

偉大な名車の中には、綿密な計画によるものというより、偶然や成り行きで誕生したものも多い。だが、アストンマーティンを象徴するスポーツレーシングモデル、DB4 GTは違う。
 
ベースとなったロードカーのDB4は1958年9月に発表されたが、DB4 GTの開発は既にその半年前に始まっていた。発端は、ワークスチームを率いていたジョン・ワイヤーが、デザイナーのテッド・カッティングに冗談半分で「DB4を5インチほどカットして、安くて元気なGTカーを造ってくれ」と指示したことだった。こうして、カッティングとハロルド・ビーチが実験的に造ったプロトタイプこそ、このDP199である。
 
この車は元々、DB4のプロトタイプ、シャシーナンバーDP184/1だったと見られている。おそらく使われずにあぶれていたのだろう。ふたつに分断したあとで再び継ぎ合わせており、フロアの接合部には、その証拠である補強の継ぎ目板が今も残っている。エンジンはシリンダーヘッドをツインプラグ化し、45 DCOEウェバー製キャブレターを3基装備。ボディワークは通常より薄い18ゲージのアルミニウム合金で造られた。
 
見かけに違わず性能も抜群で、出力は302bhpを誇り、最高速も150mphを超えた。レースキャリアは短いが、1959年のル・マンにエキュリ・トロワ・シェヴロンから出走している。特筆すべきなのが、シルバーストンでのインターナショナル・トロフィー優勝だ。スターリング・モスがステアリングを握り、ポール・トゥ・ウィンを飾った上、ラップレコードも更新した。 DP199は1961年に個人の手に渡り、数人のオーナーがいずれも大事に保管してきた。アストンの大株主だったピーター・リヴァノスもそのひとりで、1989年にファクトリーで慎重なレストアを施している。
 
アストンマーティンの権威であるスティーブン・アーチャーは、2017年6月にDP199をドライブして感銘を受け、こう語っている。「軽さと生命力を感じるし、高速でドライビングしやすく、驚くほど速い。エンジンは明らかにレース用チューンで、2500rpm以上で本領を発揮する。素晴らしいアストンマーティンであり、紛れもなく最も重要なDB4 GTだ」

Octane Japan 編集部

最終更新:5/19(日) 21:14
octane.jp

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