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ジハーディ・ジョン暗殺は「象徴的」かつ「個人的」、情報機関幹部が明らかに

5/19(日) 10:30配信

The Telegraph

【記者:Victoria Ward】
「ジハーディ・ジョン」の暗殺は「個人的」であり、戦略的ゴールではなかった──英米情報機関の幹部らはこのほど、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の処刑執行人で英国籍のモハメド・エムワジ容疑者、通称「ジハーディ・ジョン」を確保するために要した綿密な手法ついて詳細に説明した。

 英情報機関「政府通信本部(GCHQ)」は、覆面姿の男を捉えた動画がソーシャルメディアに投稿されてから数時間以内に、この覆面男がロンドン育ちのエムワジ容疑者であることを特定していた──そう語るのはGCHQのロバート・ハニガン前長官だ。特定に当たっては、静脈認識技術や音声分析技術が用いられたことも説明した。

「我々は、男の正体を突き止める作業を急ピッチで進めた。体格や手、そして何よりも声が決めてとなった。特定自体は難しくなかった」

 ジハーディ・ジョンの捜索はすぐに開始された。しかし身柄確保へと突き動かしたのは、過激派との戦いという大義名分ではなく、「プロパガンダ戦争」に勝ちたいという個人的な感情だったという。

 エムワジ容疑者は、「重要な軍事目標」とはみなされていなかった。そのため、同容疑者の死は象徴的な勝利として捉えられることとなった。すぐに誰かがエムワジ容疑者の役目を引き継ぐだろうことはハニガン氏も認識していたという。

「これを大きな突破口と見るのはおかしなことだ。(ISの)脅威は続いていたのだから」

 米中央情報局(CIA)による中東でのオペレーションを監督する作業に関わったしたダグラス・ワイズ氏はこう加える。

「エムワジ容疑者は組織の中で上の方にいたわけではなかったので、(作戦の重要度は)その程度のものだったが、それでも強力で確固とした敵対者だったことは確かだ。なぜか?それは、エムワジ容疑者が我々がいるのと同じ場所から出てきたからだ。彼は我々と同じ。彼は我々のことを本能的に理解できた」

 英テレビ局チャンネル4制作のドキュメンタリー「The Hunt For Jihadi John(ジハーディ・ジョン捜索)」では、2014年8月に公開された動画と、英情報局保安部(MI5)とロンドン警視庁が保管していた写真や電話の盗聴音声を、情報機関がいかに利用したかが詳細に検証されている。動画は、米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏が斬首された時のものだ。

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最終更新:5/19(日) 10:30
The Telegraph

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