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外国語の授業がストレスに、医師の診断書で欠席する生徒たち 英国

5/19(日) 11:10配信

The Telegraph

【記者:Camilla Turner】
 外国語の授業にストレスを感じるとの理由で医療機関からの診断書を学校に提出し、授業を欠席する生徒が後を絶たないという問題が英国で起きている。

 全英校長協会(NAHT)が毎年開催している会議でこのほど明らかになったのは、外国語の授業が生徒たちに極度の不安を与えているとして、授業を休ませる必要があるとこれらの診断書に書かれていることだ。

 NAHTの中等学校担当委員会のロブ・キャンベル委員長は、子どもが語学の授業を欠席できるよう医師にメモを書かせる保護者の数が増えていることを指摘する。

 また、「GCSE(英国の義務教育修了時の全国統一試験)の予測スコアで、外国語が苦手な科目として示されるのはよくあること」とも説明した。

 同氏によると、そうした状況において一部の保護者らは「成績が振るわない可能性を直視」せず、問題となっている授業を休ませるために診断書を用いて学校に「働きかけ」を行うのだという。ただその一方で、子どもの心の健康を心配し、語学の授業に出させ続けることに実際に「違和感」覚える保護者も中にはいるともしている。

 GCSEやAレベルといった学業修了認定への申し込みが激減していることに懸念が広がる中、教育省は昨年、外国語を履修する生徒を増やそうと、専門機関や教育機関のネットワークを立ち上げている。

 しかし、キャンベル氏は、生徒たちが外国語を勉強することに反対する理由の背景には、ある環境的な要因も関係していると指摘する。

 こうした生徒の保護者には、「なぜフランス語、ドイツ語、スペイン語を勉強したいの?うちとは何も関係ない」「何の意味があるのか?あなたはフランスなんて絶対行かないだろう」といった考えがあるというのだ。

 こうした状況を打開するため、EBaccと呼ばれているイングリッシュ・バカロレアが2010年、GCSEの「レベル低下」を逆転することを目的に、当時のマイケル・ゴーブ教育相によって導入され、広く支持を集めてきた。

 資格を取得するには、生徒は数学、英語、科学、歴史または地理、現代外国語で一定以上の成績を収める必要がある。

 政府は、EBacc取得率の目標を90%と設定しており、また教育水準局(Ofsted)は各学校がこの数字を実現するためにどのような計画を立てているのか調査を行うとしている。

 教育省の広報担当者は、「外国語の学習は、生徒の視野を広げるのに役立つ。それはこの国が外向的かつ国際的であり、若い人たちが世界中の仲間たちと競い合う上で必要となるスキルを有する国であり続けることにも寄与する」と述べる。

 しかしその一方で、「学校は、生徒たちが一生懸命勉強して良い成績を収められるよう彼らを励ますべきだが、その過程で生徒たちの健康を犠牲にしてはならない」と注意も呼びかけた。

 他方で、Ebacc導入以来、GCSEで語学を選ぶ生徒の割合が40%から46%に増加していることにも触れた。【翻訳編集】AFPBB News

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1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。 「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

最終更新:5/19(日) 11:10
The Telegraph

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