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校庭にテント張りキャンプ 防災につながる取り組み広まる

5/19(日) 20:33配信

福井新聞ONLINE

 「防災のため」ではなく、キャンプやピクニックといったアウトドアを楽しみながら「防災につながる」取り組みが各地で行われている。中でも校庭にテントを張ったり、体育館で寝泊まりしたりするキャンプは、避難所生活を疑似体験できると全国的な広がりを見せている。福井県内での取り組みや主催者の思いなどを探った。

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 緑や茶、青、オレンジ、ピンクなど色とりどりのテントが、福井市社南小学校の校庭にずらり並ぶ。震度7の地震発生を想定し、避難所生活を体験する「災害キャンプ~学校に泊まろう」を象徴する光景だ。

 社南青年会が主催している。学校への避難を家族で体験し、「災害時に何をすればいいのか」「必要なものは何か」を考え、防災の具体的な行動につなげてもらう狙い。2016年にスタートしたばかりだが、地元での認知度は高く、夏の恒例行事となりつつある。

 過去3回のキャンプでは、三角巾を使った応急処置や新聞紙のスリッパ作り、マンホールトイレ見学、起震車を使った地震体験など多彩なメニューを用意。学校の非常用貯水装置の水を米とポリ袋に入れ、そのまま熱湯で調理する炊き出しも体験した。

 3年目の昨年は地区外からも受け入れ、親子連れら約180人が参加。このうち70人はテント泊や、体育館で段ボールベッドでの宿泊を体験した。

 参加者からは「体育館に初めて泊まってみて、段ボールの仕切りは思ったより安心できる」との感想も。8月開催とあって「思っていたよりも多く飲み水が必要」「帽子を持ってくれば良かった」との声も聞かれた。

 福井市の旧美山町南東部の上味見地域を主なフィールドに、小中学生対象のキャンプ活動を展開するNPO法人自然体験共学センター。防災士の資格を持つ理事長の細川和朗さん(29)は「普段の生活と違った環境で生活するキャンプと災害時には共通点がある。経験を通じ、生きる力を身に付けてほしい」と話す。

 キャンプの食事作りは火をおこすところから始まる。ドラム缶風呂も、まきで火をおこして湯を沸かす。「避難所では実際にやらないかもしれないが、自分自身でできることを増やせる」と細川さん。森の中にテントを張って、動物の鳴き声や、木々のさざめきを身近に感じながら眠る。「食事を作る、テントに泊まるといったことを災害時に初めてするのと、キャンプで経験をしているのでは大きく違う」と指摘する。

 川で泳いだり、湧き水を求めてハイキングしたり、活動内容は子どもたちが「森の子会議」で意見を出し合って決める。数日間の経験を通じて「自信が付いた」と話す子どもも少なくない。

 細川さんは「自分のことは自分で決め、自分でする。普段の生活では知らないことにキャンプで遭遇し、被災時の生活を考えるきっかけになる。自分が何ができるかを考える力と、困難な状況を受け入れる力を付けてもらえたら」と話している。

 同センターは7月24日から「2019ふくい夏の自然体験キャンプ」を開く。2泊3日から4泊5日まで難易度と日程を分けた12コースがある。詳細はホームページ(「自然体験共学センター」で検索)に掲載している。

最終更新:5/19(日) 20:33
福井新聞ONLINE

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