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知られざる「南新宿」の世界 小田急で2番目に乗降客が少ない駅、周りは何がある?

5/19(日) 14:26配信

乗りものニュース

新宿駅から800mの場所にある静寂

 小田急電鉄が公表している最新の乗降客数(2017年度)を見ると、1位は新宿駅で、1日あたり50万6229人。この数字は、2位の町田駅の29万2579人を大きく引き離して圧倒的トップです。

【写真】南新宿、行ってみたらこんな感じだった

 一方、このデータを下から見ていくと、全70駅中70位は小田原線の足柄駅(神奈川県小田原市)で3917人。この駅は終点、小田原駅のひとつ隣であり、利用客の少なさもなんとなくうなずけます。そしてさらにさかのぼって69位を見てみると、意外な名前の駅がランクインしていました。一体どんな所か気になり、実際に現地に赴いてきました。

 この日、私はJR新宿駅の甲州街道改札を出て、国道20号(甲州街道)を渡り、小田急電鉄の新宿駅に向かいました。

 改札をくぐり地下1階のホームから各駅停車に乗り込みます。発車後ほどなくして、「本日も小田急をご利用いただきありがとうございます。各駅停車、本厚木行きです」と自動アナウンスが流れました。続いて「まもなく南新宿です」と放送されると、電車は速度を上げないまま、最初の停車駅である南新宿駅に到着しました。

 種明かしですが、今回の目的地、つまり小田急線内乗降客数69位の駅は、ここ、南新宿駅です。2017年度の1日あたりの乗降客数は4024人で、最下位の足柄駅とトントンです。ちなみにどちらの駅も、列車は各駅停車しか停まりません。

 南新宿駅で下車したのは、ほかに4人。みな足早に改札へと向かっていきました。残されたのは筆者(蜂谷あす美:旅の文筆家)と、そして静寂でした。あの新宿駅から800mしか離れていないというのが、何か冗談のように思われます。

駅から北へ 昼休みのサラリーマンはどこから来る?

 さて、ここからどこに向かってみようか――ホームで考えていたとき、視界に飛び込んできたのは高層ビル。最上部に「代々木ゼミナール」とありました。まずはこちらに向かうことにします。

 駅の改札を抜けた先にあったのは一方通行の細い道。周りは静かな住宅街といった印象で、ぶらぶらと歩きまわるには最適です。「代々木ゼミナール」を目指し、北のほうへしばらく歩くと、五差路にぶつかります。正面には代々木小学校の正門がありました。調べてみると、この学校はどうやら2015年に近隣の旧・山谷小学校と併合する形で閉校し、現在は渋谷区の施設となっているようです。

 さらに3分ほど歩くと、先ほど見えた高層ビル「代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー」に到着しました。向かいにはJR東京総合病院もあります。大手予備校の本部、さらに総合病院が近くにあれば、自ずと駅の利用者数も増えそうなもの。しかしそうならない理由は、なぜでしょうか。

 時刻はちょうどお昼どき、サラリーマンの人たちが昼食をとるべく、ぞろぞろと歩いており、行列のできている飲食店もありました。ここまでの行程では、こんなにたくさんの人に会っていません。サラリーマンはどこから来ているのか、その「上流」をたどると、どうやら北であることが分かりました。私が南新宿から北へ向かっていたので、まったく逆です。

 さらに北に何があるのかと歩みを続けるまでもなく、代ゼミタワーのはす向かいに都営地下鉄・京王新線の新宿駅への案内が出ているではありませんか。人々の源流を知るべく北上したところ、たどり着いたのは甲州街道。先ほどまでの住宅街とうって変わって、人もクルマも盛んに往来しており、パラレルワールドに迷い込んだような驚きがありました。

 そしてさらに右を向けば、冒頭で渡ったJR新宿駅前の横断歩道が見えます。近すぎです。この南新宿駅の北側界隈は、新宿駅の徒歩圏内でもあるようです。おそらく多くの人にとっては、新宿駅から「ちょっと行ったところ」という扱いなのだと思います。

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最終更新:5/20(月) 21:17
乗りものニュース

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