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体重115kgの私がダイエットに苦しみ、後に40kgの減量に成功した理由 社会疫学の観点から

5/21(火) 7:00配信

withnews

みなさんは体重が115kgを超えたことがあるでしょうか。私にはあります。冒頭の写真は2015年1月撮影のもので、当時の健康診断の結果はほとんどが「要精密検査」。何度もダイエットをしようとしては、失敗を繰り返していました。5年後の今、私の体重は75kgほどです。体脂肪率は33%から18%へ。身長は175cmですから、標準的な体型になったと言えるでしょう。この数年はゆるやかに減量に成功し続け、健康管理への自信もついてきました。

【画像】体重115kgからマイナス40kgのダイエット、ビフォー・アフターの変化はこちら

しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。なぜあんなに失敗ばかりしていたダイエットに、成功することができたのでしょうか。調べてみると、人が肥満から脱することを阻む「健康格差」の存在がわかりました。(withnews編集部・朽木誠一郎)

肥満者の行動を「経済学的に分析」すると…

体重が100kgを超え、増え続けていた2014-15年頃。私は身近な人から毎日のように「心配だからやせてほしい」と言われていました。このようなアドバイスに対して、口では「わかってるよ」と返していたものの、実際に継続してダイエットに取り組むことはできていませんでした。

その時期、私は新卒でITベンチャー企業に入社し、激務を経験していました。高い目標が課せられ、仕事の量も多い。必然的に長時間勤務になり、家に帰れず会社のソファーで寝る日も続く。夕食は深夜の2時、3時からで、その時間でも開いているラーメン屋に通い詰める毎日でした。

ここまで太ると、少し歩いただけで疲れてしまい、ましてや階段などもってのほか。喉が乾いて夜中に目が覚めたり、膝に痛みを感じたりすることもしばしばです。何より、大学時代は80kgほどで筋肉質だったので、そのセルフイメージと鏡に映る自分との乖離に辛い気分になることも多くありました。

「わかってるよ」はウソでなく、減量の必要性は自分が一番よくわかっていたのです。同時に「この生活をしていて、やせられるわけがない」とも。次第に「やせて」には「食べることはストレス解消だから止めないでほしい」「疲れているから運動をするよりも寝ていたい」と返すようになっていました。

115kg時代の私は見るからに不健康です。心ある人ほど「やせて」と言ってくれるでしょう。しかし、私はやせるべきだと思いながらも、それができませんでした。この齟齬は何によって引き起こされるのでしょうか。実は「時間選好率」という言葉で説明することができます。

中央大学名誉教授の古郡鞆子さん・同大経済学部准教授の松浦司さんの『肥満と生活・健康・仕事の格差』(日本評論社)では、肥満者について以下の傾向を紹介しています。なお、日本で肥満は体格指数(BMI)により判定され、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が25以上になると肥満です。※太りやすさには体質も関わり、肥満を伴う遺伝病もあります。以下はあくまでも、たくさんの人を対象にした疫学研究からわかった「傾向」です。

“一連の研究では、肥満者には忍耐強さがなく、時間選好率が高い傾向があることが報告されている。時間選好率が高いということは、今日食べたり、飲んだりして得られる満足度を、将来健康であることの満足度より高く感じてしまうことを指す”

肥満を経験したことのある人ほど、ハッとするのではないでしょうか。肥満者は未来の利益よりも目先の利益を優先してしまう傾向があるということです。つまり、肥満者にいくら「このままでは病気になる」「将来健康である方が人生を楽しめる」と言っても、実効性に乏しい可能性があるのです。

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最終更新:5/21(火) 13:01
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