ここから本文です

教育現場に相対評価なじむか 人事評価データ書き換え 「教育の劣化進む」

5/20(月) 18:32配信

47NEWS

 教員としての力量を評価するのに、順位付けしランク分けをする相対評価の原理はなじむのか。昨年度から大阪市で始まった、競争原理を取り入れた教員の新人事評価制度を巡って今、制度の信頼性が揺らぎかねない問題が起きている。

 市立東淀工業高校(大阪市淀川区)の40代男性教諭が、「授業力」の査定につながる生徒対象の授業アンケートのデータを管理職に勝手に書き換えられ、低い評価を付けられたとして、今年4月に市に公益通報したのだ。

 教諭は同時に市教育委員会にも「恣意的な評価であり、正当性はなく無効」として苦情を申し立てた。市教委は「調査する」としている。教育現場で波紋を広げていきそうなこの問題。何が起きているのか。

(共同通信=大阪社会部・真下周)

 ▽「スケープゴートに」

 3月下旬、男性教諭は突然、管理職から開示面談で「(勤務成績がやや良好でない)第4区分」の評価を突き付けられた。戒告などの懲戒処分を受けた時にも適用される、5段階のうち下から2番目の下位評価だった。

 市教委は新制度で「評価の厳正化」を求めており、従来制度でほとんどなかった下位評価を一定程度は出すのが望ましいとの立場を取っている。

 下位評価に驚いた男性教諭が説明を求めたところ、管理職が根拠の一つとして出してきたのが授業アンケートだった。

 授業アンケートは生徒が授業ごとに「分かる、魅力的な授業」になっているかを評価するもので、管理職が教員の授業力を評価する際の「重要な一要素」(市教委)として参考にすると決められている。

 男性教諭は、同校でアンケートを集計、管理していた教頭が下位評価を「正当」と印象付けるために改ざんした疑いがあると主張。「自分は下位評価を出すためのスケープゴートにされた。改ざんされたアンケート結果を根拠に下位評価を納得させたかったのだろう」と憤る。一方の教頭は取材に「(数値を操作したことは)全くない」と否定した。

 ▽数値異なる個人票

 男性教諭は3月20日、前校長(4月に別の高校に転出)と教頭から「第4区分」であることを通知された。授業力には自信があったが、人事考課シートでは評価が標準の「3」だった。教員らは前校長から自己評価は低めに付けるよう言われていたため、男性教諭は「3・5」を付けて申請した。

1/7ページ

最終更新:5/20(月) 19:21
47NEWS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事