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1台のポルシェ 356が持つオーナーとの物語

5/20(月) 9:11配信

octane.jp

普通、熱を帯びたオークションルームに、"いい話"が入り込む余地はない。だが、このポルシェ356Aスピードスターは別だ。1958年にファクトリーを出て以来、初めて市場に出された車で、心温まる物語を背負っている。
 
新車で購入したのはアメリカ空軍将校のロバート・ドゥーイだ。当時、妻のニーナと共にドイツに住んでおり、ポルシェの購入は3台目で、これが最後となった。アメリカに帰国する際に持ち帰ると、以来20年にわたってこの車で通勤した。
 
家族は"レッドレイダー2世"と呼んでこの車を愛した。息子と娘を育てる間も、アメリカ各地の基地に赴任先が変わるたびに一緒に車を連れていき、大切に使い続けたのである。
 
退職後、フロリダに移り住んだドゥーイは、ポルシェスペシャリストのブルース・ベイカーに依頼してコンクール・コンディションにレストアした。以来、356Aは数々の賞に輝いている。2004年のペブルビーチでは、スピードスターの50周年記念イベントで、ドゥーイはシュトゥットガルトに出向いて直接スピードスターを受け取った唯一の顧客として表彰された。また、同じイベントで、以前所有していた1956年356Aと奇跡的な再会を果たしている。
 
レッドレイダー2世がオークションに出品されたのは、昨年、ドゥーイが87歳で亡くなったためだ。58年にわたってこの車と生きたのだった。

Octane Japan 編集部

最終更新:5/20(月) 9:11
octane.jp

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