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内戦で100人以上の殺害に関与か? ソマリアの元軍司令官、アメリカでウーバーのドライバーをしていた

5/20(月) 12:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

内戦中、戦争犯罪を犯した疑いを持たれているソマリアの軍司令官だったある男性が、その後、アメリカに渡り、配車サービスのウーバーやリフトでドライバーの仕事に就いていた。

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CNNの調査によると、2017年からバージニア州でウーバーのドライバーをしていたユスフ・アブディ・アリ氏はソマリアの元軍幹部で、独裁者のシアド・バーレ大統領の下で100人以上の殺害に関与した疑いが持たれている。

ソマリアの紛争地帯の目撃者は1992年、アリ氏が1980年代の内戦中に関与した数々の残虐行為をカナダのCBCに語った。

「2人の男が捕まり、木に縛り付けられた」と、1人が語った。「彼らは油をかけられ、生きたまま焼かれた。わたしはそれを自分の目で見た。彼らの遺体を切断したんだ」

別のもう1人は、「彼はわたしの兄弟を捕まえた。軍の車両に縛り付けて、後ろに引きずった。兄弟のからだはバラバラになった。そうやって死んだんだ」と語った。

CBCのドキュメンタリー番組が放送された後、アリ氏はカナダを離れ、アメリカに渡った。CNNによると、同氏は2016年にCNNが彼を見つけ、容疑について直撃するまで警備員として働いていた。その後、同氏はすぐに解雇された。

そして2019年5月、正体を隠したCNNの記者はアリ氏のウーバーを予約し、隠し撮りをした。
アリ氏は白色の日産「アルティマ」に乗る、4.89の評価を得た「ウーバー・プロ・ダイヤモンド」のドライバーだった。

CNNの5月14日のリポートで、CNNはアリ氏が18カ月にわたってウーバーのドライバーの仕事をしていて、リフトでも働いていたという。

隠し撮りの映像には、アリ氏がCNNの記者に対し、ウーバーは「身元確認をしたいだけ」で、「今夜、応募すれば、2日後には連絡が来るだろう」と語っている様子が捉えられている。

つまり、アリ氏は運輸保安庁(TSA)と連邦捜査局(FBI)の身元確認をパスしているということだろう。

ウーバーの安全・保険担当のバイス・プレジデント、ガス・フルドナー(Gus Fuldner)氏は2018年、「この新たな連続照合技術は、我々のスクリーニング・プロセスを強化し、安全性を向上させるだろう」と話していた。

CNNは以前、ウーバーとリフトが重大な犯罪歴のあるドライバーを雇っていて、中には乗客に性的暴力を加えた者もいたと報じている。

自身もアリ氏の犠牲になった人間の1人だと主張するファルハーン・モハムード・タニ・ワルファア(Farhan Mohamoud Tani Warfaa)氏は、2004年にアメリカの裁判所でアリ氏に対し、訴訟を起こした。

それから15年後の2019年5月13日、バージニア州アレクサンドリアにある裁判所でアリ氏とワルファア氏の弁護士による冒頭陳述が行われた。

ワルファア氏は1988年、アリ氏がソマリアのワルファア氏が暮らしていた村で尋問中に彼を撃ち、見殺しにしようとしたと訴えている。

ワルファア氏の弁護士は、アリ氏がソマリア陸軍の第5旅団のトップだったと指摘。ワルファア氏は、アリ氏が「カラス大佐」などとして兵士に知られていたという。

アリ氏は戦争犯罪に関する全ての容疑を否認し、「全くもって根拠がない」と述べている。Business Insiderは、アリ氏の弁護士にコメントを求めた。

また、Business Insiderは、ウーバーのスクリーニング・プロセスで照会された政府の監視リストや制裁リストにアリ氏の名前はなかったと理解している。

ウーバーの広報担当者はBusiness Insiderの取材に、「ドライバーは地元、州、国の運転歴および犯罪歴のチェックを受けなければならず、我々は地元の法律が定める基準に合わせて、適性を評価している」と述べた。

リフトはCNNに対し、アリ氏をサービスから締め出したと語ったが、9月以降、アリ氏はリフトのドライバーとして働いていないという。

[原文:A former Somali army commander accused of war crimes has been working as an Uber driver in Virginia]

(翻訳、編集:山口佳美)

最終更新:5/20(月) 12:11
BUSINESS INSIDER JAPAN

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