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ほろ苦い青春映画にして、最高の音楽映画『あの頃ペニー・レインと』

5/20(月) 6:32配信

dmenu映画

「Blue jean baby……♪」で始まるエルトン・ジョンの「かわいいダンサー(マキシンに捧ぐ)」を聴くと、瞬時に『あの頃ペニー・レインと』のワンシーンが鮮やかによみがえり、胸がキューッとなる。

ロック・バンドのツアー・バスの中、すったもんだの後ラジオから流れてきたこの曲をみんなで歌うシーンが、好きで好きでたまらない。音楽が持つ“魔法”をこんな風に見せてくれる映画があるのかと、嬉しくて、この映画を見返すたびにここで涙腺が緩んでしまう。

キャメロン・クロウ監督による『あの頃ペニー・レインと』の原題は、“Almost Famous”。アメリカでの公開は2000年(日本は2001年)で、かれこれ20年近くも前の作品になるのか、と驚く。なぜって、私の中には、初めて観た時の鮮烈な印象が少しも色あせずに残っているからだ。

キャメロン・クロウ監督の自伝的ストーリー

アカデミー賞脚本賞を受賞した本作、物語にはクロウ監督の自伝的要素が強い。舞台は1970年代。主人公のウィリアムは15歳にしてアメリカを代表するカルチャー雑誌「ローリング・ストーン」の記者に抜擢され、ロック・バンド=スティルウォーター(バンドは架空)のツアーに同行し記事を書くことになる。

右も左もわからない彼にやさしく手を差し伸べてくれたペニーに恋をするウィリアム。親切で、笑顔は愛くるしく、奔放な振る舞いの中にもユーモアがあり、そして「私たちはグルーピーじゃない。バンド・エイドよ」と毅然と言うペニーのすべてにウィリアムは惹かれていく。

けれどペニーは、スティルウォーターのギタリスト、ラッセルにご執心で、二人はつき合うことになる。ラッセルには地元に恋人がいることを誰もが知っていたけれど。そんなペニーを心配するウィリアムだったが、一方でバンドとはツアー生活を共にしながら互いに信頼関係を築き、「お前なら、何を書いてもいい」というお墨付きまでもらって記事を書く。

ところが、出来上がった記事をバンドが否定。深く傷ついたウィリアムのために一肌脱いだのは、ラッセルと別れ悲しみの中にいたペニーだった──。

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最終更新:5/20(月) 6:32
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