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全米プロで一躍時の人 23歳“ジャズ”の達観したゴルフ観とは?

5/20(月) 11:04配信

my caddie

 今シーズンのメジャー第2戦 全米プロゴルフ選手権はブルックス・ケプカの連覇で幕を閉じた。「ベスページブラックC(ニューヨーク)は非常に難しいので上級者のみプレーすることを勧めます」という警告看板が設置されているほどの超難関コース。ミスがミスを呼び、悲壮感漂う選手のなかで穏やかな微笑みを浮かべ最高の舞台を楽しんでいる選手がいた。

【動画】全米プロ最終日10番でティーショットを放つ松山英樹

 ジャズ・ジェーンワタナノンド。タイ出身の23歳である。

 強風が吹いた最終日こそスコアを落とし14位タイに終わったが、3日目終了時点ではジャスティン・ジョンソンらと並び2位タイ。一躍世界中の注目を集めることになった。

「距離が長くて大変。いくら打っても届かないから80が切れるかどうか心配してしまいました。でもそれがメジャーの醍醐味ですね」と言い切った彼は目の肥えたニューヨークのギャラリーからも背中を押された。

 ヤジが飛び交うなか「アイ・ラブ・ユーと叫んでくれるギャラリーもいました。みんな僕のことが好きみたいです(笑)」と無邪気にそう言ったジャズ。ピンチにも笑顔を絶やさぬ爽やかなプレーに厳しいニューヨーカーも好感を抱いたようだ。

 ちなみに“ジャズ”というのはニックネーム。本名はアティウィットだが、父親が無類のジャズ好きだったためにつけられた愛称をそのまま登録名にしている。

 微笑みの国タイ出身のジャズは今シーズン国内男子ツアー開幕戦のSMBCシンガポールオープンでいきなり優勝を飾った。馴染みのない選手だけにポッと出と思われがちだが、じつは彼、ジュニア時代から将来を嘱望され15歳の誕生日前日にプロ転向したエリートなのだ。

 プロデビュー直後の11年、アジアパシフィックパナソニックオープンに招待選手として出場。初日104位と大きく出遅れながら2日目に巻き返して予選を突破し、実力の片鱗を見せつけている。

「好きな選手? 憧れは石川遼選手です。ゴルフが上手いだけじゃなくマナーも素晴らしい。僕も彼みたいなプロになりたいです」と言うと少年は頬を紅潮させた。ちょうど目の前を石川が通ったからだ。

 見かけは幼かったが当時から中身は大人だった。そんな彼をさらに成長させたのがタイの若者なら誰もが経験する寺での僧侶修行。

「21歳までに誰もが修行を行います。お務めをするうちに心が平和になっていくのを感じました。ゴルフで自分を追い詰めるのはやめよう。世の中にはゴルフ以外にも大切なことがたくさんあるのだから、と思えるようになったのです」

 心の平穏がそのまま表情に表れている。もちろんゴルフに浮き沈みはつきもの。だが彼が達観した心境を貫けば世界を席巻するプレーヤーになることも夢ではないだろう。少なくても一発屋で終わることはないはずだ。

最終更新:5/20(月) 11:04
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