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ダムが干上がって見えた人々の生活の跡。その裏にある市民への影響と関係者の願い

5/20(月) 18:50配信

BuzzFeed Japan

愛知県東部と静岡県西部の6市に水道や農業用水を供給する「豊川用水」の最大の水源である「宇連ダム」(愛知県新城市)の貯水率がゼロになった。渇水により、かつてダムに沈んだ橋や美しい地層が姿を見せて幻想的な光景が広がるものの、市民生活に影響を及ぼす34年ぶりの異常事態だ。【BuzzFeed Japan / 瀬谷 健介】

宇連ダムの貯水率がゼロになったのは、1985年1月以来2回目。

ダムを管理する水資源機構豊川用水総合事業部によると、1月から降水量が少ない状態が続き、河川の流量が減少した。

4月に入ってなお、改善が見られずどんどん水位は下がり、5月19日午前5時に貯水率がゼロとなった。

姿を見せた幻想的な風景

大半の湖底が干上がり、かつて人々が生活を営んでいたことを示す痕跡が姿を見せた。

特徴的なのが、ダムに沈んだ橋だ。橋の下には、川も確認できる。

水資源機構によれば、宇連ダムは1958年に完成した。

当時の地名は、愛知県南設楽郡鳳来町川合(その以前は、北設楽郡三輪村川合)で、ダム建設により水没したという。

ダムが干上がったことで、その土地に降り立って幻想的な姿をカメラで捉えた写真が、いまTwitterで大きく拡散している。

ただし、水資源機構はそれによって枯渇したダムの土地を歩く人が増えないかとの懸念を示す。

中に入って写真を撮る行為について、BuzzFeed Newsにこう話した。

「河原に降りてはいけない、と同じで、立ち入り禁止ではないです。ただ、泥で滑って怪我をするといった恐れがあります」

「万が一何かあっても、こちらが関知することではありません。ただ、安全管理上、決して中に入ることをおすすめしないし、歓迎はしないです」

ダムの貯水率は今も「ゼロ」。市民への影響とは

宇連ダムの貯水率は、5月20日現在も「ゼロ」のままだ。

そうした事態を予測して 、水資源機構と豊川用水関係利水者からなる豊川用水節水対策協議会は、水道・農業・工業用水の節水への協力を呼びかけてきた。

節水率は4月12日から各5%、23日から各10%、そして25日から各15%と段階的に高くしている。

そうやって、すでに渇水による影響があり、人々の生活にも陰を落とす。田植えの時期が近づき、農業への影響が懸念される。

だが、当面は断水については心配しないでも大丈夫だという。

豊川用水全体には他にも大島ダムや複数の貯水池があり、愛知県と静岡県の県境にある「佐久間ダム」から豊川用水への導水も始まったからだ。

ただし、豊川用水全体の貯水率は、5月20日午前0時時点で計26.9%。

市民は引き続き15%の節水率を呼びかけられ、気が気でない状況が続いている。

最終更新:5/20(月) 18:50
BuzzFeed Japan

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