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技術者と住民の知恵結集 八尾 大長谷マイクロ水力発電所完成

5/20(月) 21:49配信

北日本新聞

■生活用水を有効活用 27日開所式 

 岐阜県境にある富山市八尾町大長谷地区で、沢から集落に水を引く管を活用したマイクロ水力発電所(同市八尾町杉平)が完成した。技術者と住民の知恵を結集し、経費を抑えながら安定した発電を実現した。運営するNPO法人大長谷村づくり協議会によると民間の手作り施設での売電は例がなく、新たな農村振興のモデルケースとなりそうだ。27日に開所式を行う。(八尾・婦中支局長 谷井康彦)

 一帯を潤す水は杉ケ平キャンプ場の上部から取水しており、配水槽から発電所までの落差は約70メートル。高圧できれいな水なのに、過疎化でほとんど利用されていなかった。地元の河村憲義さん(68)は「もったいない」と考え、交流のある省力化装置企画・設計開発のMデザイン(富山市田畑)の代表、松田靖彦さん(65)に相談していた。

 県の後押しもあり、3年前から松田さんを中心に開発を始めた。水の落差を生かせる「ペルトン水車方式」を採用し、水車の形状やモーターの位置を工夫して発電効率を高めた。出力を調整するパワーコンディショナーには高価な水力用でなく、家庭で使う安価な太陽光用を活用。専門家の協力で試験を重ね、電力会社の認証を得た。

 水力の要となる取水口の再整備は河村さんを中心に住民が協力。フィルターに枯れ葉や枝などが詰まらないよう直し、維持管理の負担を軽くした。事業費は760万円。年間発電量は1万キロワット時を見込み、北陸電力に全量を売電して年間33万円の収入を見込む。

 今月中旬には同協議会の村上光進理事長(73)や奥田初雄さん(66)を交えて運転状況を確認した。YKKで機械設計を担当していた松田さんは「現役時代の経験や人脈が生きた。多くの協力があって安価で高効率な発電機ができた」と説明。将来的な電力の自給自足、災害時の電力確保につながるとし「社会貢献になれば」と期待を込めた。

北日本新聞社

最終更新:5/20(月) 21:49
北日本新聞

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