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「私を置いて 世界が感動している――」高校最後の運動会 「選ばれなかった」私が、抱えてきた劣等感

5/23(木) 7:00配信

withnews

「なりたい」言えるようなタイプじゃなかった

 「みんなチアになりたかった」は作者の小柳さんの実際の経験を描いたものです。小柳さんは、会計関連会社に勤めるかたわら、コルクBooksを中心に漫画家として活動しています。

 「チアガールには憧れていたんですが、私は目立つタイプじゃなかったので、実際は『なりたい』と言うのがおこがましいくらいでした」

 こう話す小柳さんの背景には、高校での「つまずき」が影響していました。

 中学校の頃、小柳さんのテストの成績はいつも上位。周囲の期待に応えたい一心だったといいます。ところが、高校に入ると全く違う世界が広がっていたのです。

「選ばれなかった」劣等感

 当初、小柳さんは理系クラスに在籍していましたが、進学校のレベルは想像以上でした。物理のテストで0点をとったことをきっかけに、勉強に対する自信をなくし、高校3年生になるとき、理系から文系クラスに変更することを決めます。

 しかし、文転した後も、心が休まるときはありません。すでに文系クラスでできあがっていたコミュニティに溶け込むことに必死で、気持ちをすり減らしていました。

 気づくと、「私は頭がいい訳じゃないし、特別モテるタイプでもないし、美術部で運動もできない」と、自分のできないところしか見えなくなってしまいました。

 それでも、前年にチアをやっていた女子たちと仲良くなったことが転機となり、小柳さんは「もしかしたら私もチアガールになれるかもしれない」と思えたといいます。自分を肯定できるかもしれない、頼みの綱でした。

 ところが、チアリーダーは定員オーバー。特に、「投票」という方法に納得がいきませんでした。落選を手紙で伝えられたことも、気持ちのやり場を失ったといいます。

 チアで踊る曲を聴いてはしゃぐ友だちを見て、「選ばれなかった」という劣等感にさいなまれました。悩んだ挙句、感情を飲み込んで、「別のグループに移ります」という手紙を書いてグループを離れたといいます。

 「今振り返れば、リーダーの子も私をできる限り傷つけたくないように手紙で伝えてくれたのだと思います。それぞれの不器用さや未熟さが重なり合って、うまくいかなくなっちゃったのかな」

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最終更新:5/23(木) 7:00
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