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茨城県警、取り調べ試行10年 可視化、対象事件の77%

5/21(火) 12:00配信

茨城新聞クロスアイ

茨城県警が裁判員裁判の対象となる事件として、2009年4月から取り調べの録音・録画(可視化)の試行を始めてから、10年が経過した。18年までに、全過程または一部を可視化したのは、全対象事件の約77%に当たる376件に上った。14年以降は100%実施し、録音・録画設備も全28署に整備した。今年6月から全過程可視化が義務化されるのに向け、県警は、機器の扱いや取り調べ技術の向上を図るなどして準備を進めている。


可視化は、厚生労働省の村木厚子元局長の無罪が確定した文書偽造事件をきっかけに始まった捜査・公判改革の一環。16年5月、全過程の可視化を裁判員裁判対象事件と検察の独自事件を対象に義務付ける改正刑事訴訟法が成立した。

警察による可視化の試行は08年にスタート。県警では09年4月に始まった。県警刑事総務課によると、全対象事件のうち実施したのは、同年が約30%に当たる8件、10年が約11%の6件、11年が約27%の13件となり、当初は3割に満たなかった。

しかし、13年に57件中56件の約98%まで実施率が上昇。14~18年の5年間は計258件全てで実施し100%を達成した。

警察庁指針では16年10月から、試行で全過程の可視化を原則とし、対象事件以外でも、犯行の立証に供述が必要な場合も可視化できるとした。県警は18年までに、立証のため、対象事件以外の2件で行った。

可視化を推進する上で、録音・録画機器の充実も図られた。

09年4月時点では取調室への常設はなく、持ち運べる可搬型がわずかに3台のみだった。全過程可視化を原則とした16年10月には17署21室に常設、可搬型も計28台配置することで、全28署に機材を整備した。19年5月1日時点では常設が18署23室に、可搬型も計43台まで増えた。

同課は、取り調べの可視化により、供述の任意性や信用性について的確な判断が可能になるとする一方で「被疑者が(可視化に)抵抗を覚え、十分な供述ができなくなるデメリットも考えられる」と指摘する。

全国の警察では機器の操作ミスなどで実施できなかった例もあり、必要な供述を得る取り調べや機器の取り扱いなど、取調官には高い資質が求められている。

県警では11年度から可視化に対応できるよう、取り調べ従事者の訓練を実施してきた。

6月からの全過程可視化の義務化を見据え、同課は「効果的な質問方法や虚偽供述を防ぐ方法を学ばせるなど、今後も高度な取り調べの教養を行っていきたい」としている。(今井俊太郎)

茨城新聞社

最終更新:5/21(火) 14:02
茨城新聞クロスアイ

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