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ETF買い入れは株価変動抑制に効果、株価引き上げ効果は大きくない=日銀総裁

5/21(火) 10:34配信

ロイター

[東京 21日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は21日の衆議院財務金融委員会で、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れは株価の引き上げが目的ではなく、その効果があっても大きなものではないとの認識を示した。ただ、株価の変動を抑制しているのは事実とも語った。川内博史委員(立憲)の質問に答えた。

黒田総裁は、日銀によるETF買い入れは、リスクプレミアムに働きかけ、経済・物価にプラスの影響を及ぼしていくと説明。現在は、株式市場のリスクプレミアムの状況に応じて弾力的に買い入れ額を上下させており「リスクプレミアムが拡大することを防止、変動幅を小さくしているという意味では、株価の大きな変動を抑制している効果があるのことは事実」と述べた。ただ「株価引き上げが目的ではない。東証時価総額の4%程度の保有であり、株価引き上げの効果があってもそれほど大きなものではない」と指摘した。

昨年9月末でETFの市場の時価総額は37兆円、このうち日銀は29兆円を保有している。

現代貨幣理論(MMT)については「理論モデルがはっきりしない」とした。そのうえで、日本の財政当局は機動的な財政運営とともに、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取り組みを進めており、市場の信認確保に努めていると指摘。そのため、MMTが前提としている「財政赤字や債務残高を考慮しないというスタンスにはない」とし、金融政策についても「物価安定目標実現のために最も適切なイールドカーブ形成を促すよう国債を市場から買い入れている。これは、物価の安定のために実施しており、財政ファイナンスではない」と述べた。

総裁は「日本の財政や金融政策運営はMMTが想定している状況とは全く異なっている」と繰り返した。  

(清水律子)

最終更新:5/21(火) 10:34
ロイター

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