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著書が話題の『しょぼい喫茶店』は、オープンから1年経ってもやっぱり「しょぼい」ままなのか

5/21(火) 12:06配信

メシ通

本を手に出かけてみた。

西武新宿線の各駅停車で4つ目「新井薬師前」で下車。地図に描かれているとおり、南口の商店街をトボトボ歩くと5分くらいで、その店を発見する。目印はビルの看板だ。「しょぼい喫茶店」と、マジック書きしたダンボール紙が貼り付けてある。
ほんとうに、しょぼい(笑)。
文字には、いろんなものが詰まっている。とくに手書きとなれば、人柄や考え、どんな生き方をしてきたかもにじみ出てしまう。「しょぼい」んだけど、看板の文字は力みが抜けて「ほわん」としていた。同じビルの一階は洒落たフレンチのお店で、対照的なチープさが面白い。

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自分の本を出したかった

「妻と本が出せたらいいね、という話をしたのが2018年の7月か8月くらいだったんですよね」と話すのは、今回のインタビューの主人公。「しょぼい喫茶店」を営む池田達也さん。弱冠24歳。
池田さんが店をオープンさせたのは、2018年3月だ。まだ大学生だった頃、就職活動に疲れ果て、悩んだ末に「100万円以内」の喫茶店開業を思い立つ。
物件探しから、足りない資金をどうするのか。開店後のジェットコースターのような一年間の歩みを綴ったのが『しょぼい喫茶店の本』(百万年書房)だ。本のオビの背に「就職できなくても生きる!!」とある。

池田さん(以下敬称略):自分の本を出したいと思っても出版社にツテはなかったので、いろんな出版社のホームページのお問い合わせのところに、自己紹介と自分で考えた章立てと、メディアに紹介された記事を送りました。全部で10から15社くらい、手当たり次第という感じに。送り先の目安は、自分が知っている出版社と、phaさんとかの「ゆるく生きていこう系」の本を出しているところですね。ソッコウで返事が来たのが、北尾さんでした。

北尾さんとは、「しょぼい喫茶店」の出版元「百万年書房」代表取締役であり担当編集者のことだ。
phaさんは、ネット界では「日本一有名なニート」として知られる人で、彼の『持たない幸福論』を読んで、これしかないと思い込んでいた生き方以外にもレールがあると知り、心が軽くなったのだという。
大学卒業直後に、「しょぼい」ながらも喫茶店を開業し、本まで出した。それだけ聞くとオシのつよい起業家タイプをイメージしがちだが、失礼ながらゴリッとしたパワーはまったく感じさせない。饒舌とも対極の、考えながらトツトツと話す青年だ。

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最終更新:5/21(火) 12:06
メシ通

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