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低所得世帯の学生を支援する「大学無償化法」成立 支援が拡充されると学生バイトが減少?

5/21(火) 11:37配信

THE PAGE

 低所得世帯の学生を対象に、大学などの学費を無償化する「大学等修学支援法」が可決、成立しました。経済的に余裕のない学生にとっては朗報ですが、支援の範囲などをめぐって様々な課題が浮き彫りになっているほか、奨学金の支給によって学生バイトが足りなくなるといった思わぬ影響も指摘されているようです。

約75万人が支援を受けられる見通し

 現在、国立大学には世帯収入や学業成績に応じた授業料の減免措置が、私立大学についても減免措置を実施する場合には政府が一部を補助する仕組みがあり、毎年400億円以上の金額が支出されています。また返済義務のある奨学金制度も存在していますが、返済の負担が大きく生活が破綻するケースが出ており、一部から見直しの声が上がっていました。

 今回、成立した法律の柱となっているのは、授業料の免除と生活費などを支援するための給付型奨学金の拡充です。世帯年収が270万円未満の住民税非課税世帯の場合、一部の大学を除き、国公立大学の授業料(約54万円)が全額免除となるほか、私立大学では70万円が減額されます。270万円以上、380万円未満の世帯については年収に応じて段階的に授業料が免除される仕組みです。

 一方、奨学金については、自宅から通うケースでは、国公立の学生は年間35万円、私立大学の学生は46万円の支援が受けられます。自宅外の場合は、国公立が80万円、私立は91万円です。

 今回の措置によって約75万人が支援を受けられる見通しですが、年間7600億円の支出が見込まれており、財源については消費税の10%への引き上げ分の一部が充当される予定です。

企業は学生バイトの確保が困難になると懸念

 大学全入時代という言葉からも分かるように、大学教育の位置付けは以前とは異なっており、かつてのようにエリート教育を行う場ではなく、高校教育の延長というニュアンスが強くなっています。その意味では、どんな世帯の人でも大学に進学できる今回の法律は非常に有意義といってよいでしょう。

 一方で、この支援策の基準には該当しないものの生活が苦しい世帯との格差など、別の問題が生じる可能性もあるほか、一律に支援するというやり方について疑問の声もあるようです。また一部の企業では、学生の支援が拡充されるとアルバイトの確保が困難になると懸念しています。学生は勉強するのが本分ですから、学生バイトがいないとビジネスが回らないというのは少々問題ですが、これだけ人手不足が深刻な状況では、企業側の懸念も理解できなくもありません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5/21(火) 11:37
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