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「リズムが意味を上回る瞬間がある」サカナクション山口が語る、作詞の葛藤

5/21(火) 21:50配信

TOKYO FM+

◆リズムが意味を上回る瞬間

松任谷:じゃあ、小学校のころに読んでた本で、特に印象に残っているものは?

山口:今も自分のなかで、絶対に外すことのできない詩があって。石原吉郎さんの「竹の槍」なんですが、《直喩を水平に保ち》という1文があるんですよ。当時、小学6年生か中学1年生だったんですけど、全然理解できなくて。でも、その響きだったり字面だったり、リズムにすごく感動したんです。だから、リズムというものは、意味を上回る瞬間があるんですよ。

松任谷:わかるね、それは。

山口:メロディーと歌詞が同時に出てくるときは、やっぱりいい歌になるんですよ。だけども僕は、ほぼ8割は曲が先なんですね。鍵盤で作られたメロディーに対して、言葉を当てなきゃいけない。でも、そうすると違うリズムになってしまうじゃないですか。極力、《ラララ》で歌った気持ちよさや母音を残したいんですけど、限界がある。その究極の難しさみたいなのが、僕にはつねにあるんですね。

松任谷:それ、みんなあるよね。

山口:「いいリズムでさえあれば、意味なんてどうでもいいや」と思って書く時間がすごくあるんですよ。でもやっぱり、曲を発信する立場としては、歌詞にちゃんと意味があって、みんなが共感できるものじゃなきゃいけない。そこが僕の葛藤です。《直喩を水平に保ち》で感じた、リズムが意味を上回る感じ。そこに、自分はすがりたいなと。

松任谷:詞を書いてるときは、どんな感じ?

山口:3時間サイクルなんです。3時間集中して、30分ないし1時間リフレッシュして、また3時間やって、30分、1時間で見直す。それを1日ずっと繰り返します。

松任谷:じゃあ、寝ないんだ。

山口:寝ないです。つねにパソコンのデスクで書くんですけど、今回、床ずれ起こしたんですよ、おしり。座りすぎて(笑)。

(TOKYO FM「JINS presents 松任谷正隆の…ちょっと変なこと聞いてもいいですか?」4月19日(金)・26日(金)放送分より)

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最終更新:5/21(火) 21:50
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