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「鍋島夏雲日記」活字化 幕末の国内情勢、克明に 佐賀

5/21(火) 15:45配信

佐賀新聞

 幕末佐賀藩の重臣だった鍋島夏雲(かうん)が当時の情勢などを書き記した「鍋島夏雲日記」の活字化が終わり、お披露目式が20日、上峰町役場で開かれた。武広勇平町長や編集を担当した古川英文・佐賀城本丸歴史館副館長らが出席し、幕末佐賀藩の歴史をひもとく貴重な資料の完成を祝った。

 鍋島夏雲は、同町内を領地としていた納富鍋島家の当主で、10代藩主・鍋島直正の側近筆頭を30年に渡り務め、藩内外の情報に精通していた人物。日記はこれまで活字化されておらず、研究者らが活字化を待ち望んでいた。

 活字化は、同町の「明治維新150年記念さが維新関連事業」の一環として実施。佐賀大地域学歴史文化研究センターの伊藤昭弘准教授が監修を務め、1年掛けて完成させた。

 日記には、佐賀藩内のさまざまな情報のほか、開港を迫ってペリーが来航したことや、薩摩藩の島津久光が大兵を率いて上京したこと、幕府の蒸気船・観光丸の返上について勝海舟が佐賀藩と幕府の仲介役を請け負ったことなど、幕末の歴史を振り返る上で重要な事柄が記されている。

 夏雲日記の一部を拡大した屏風も完成し、併せて披露された。表装されたのはペリー来航の第1報や、幕府が佐賀藩に対して鉄製大砲を200門注文したことを伝える文書。夏雲の自筆とされる部分で、歴史への興味を高めてくれる。

 お披露目式では、武広町長が「幕末佐賀藩の活躍を顕彰できれば」とあいさつ。古川副館長が「夏雲日記の全体像はこれまで把握されておらず、今回の活字化は英断」と述べた。

 日記はA5版、432ページで、300部制作。県内の図書館や高校、町内の小中学校、全国の都道府県立図書館などに寄贈される。屏風は町役場に展示され、一般来庁者にも公開される。

最終更新:5/21(火) 15:45
佐賀新聞

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