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膝関節診断装置に最高賞 軟骨の音で異常数値化 佐賀

5/21(火) 11:12配信

佐賀新聞

 産業機械メーカーの大神(だいしん)(佐賀市)と佐賀大学が、特許技術を基に共同開発を進めてきた膝関節診断装置が第8回佐賀県工業大賞(県工業連合会主催)最高賞の知事賞を受賞した。屈伸時に軟骨が出すわずかな接触音を基に関節の不具合を数値化する新しい装置で、痛みが出る前に異常の進行具合が分かるなど活用が期待される。今後、医療や健康福祉分野での実用化を目指す。

 大神と佐賀大学の先端融合工学専攻のイスラム・カーン理工学部准教授、人工関節学の井手衆哉医学部准教授が研究を進めてきた。膝の周りに音を測るセンサーをつけて数回屈伸し、発生する音の大きさなどを数値化する。高齢化やスポーツで酷使して軟骨がすり減るなど異常が進むほどに数値が大きくなり、痛みを感じる前の初期段階でも“患者予備軍”が分かる。

 イスラム・カーン准教授は2012年から研究に取り組み、初期型に続き、県中小企業団体中央会の17年度補正ものづくり事業補助を活用して2号機を制作。角度をどれだけ曲げた部分で異常があるかや、センサーを6~8カ所につけて異常箇所を立体的につきとめる研究も進め、MRIやレントゲン画像と一致するまでに精度を上げることができたという。

 膝の診断には数億円のMRIなど高価な機材が必要だが、新技術の装置は1千万円程度で、さらに安価にできる見込み。放射線や電磁波を使わないため妊婦も診断でき、持ち運びして健診会場などでも使える。

 X線診断による膝関節症患者は2400万人といわれ、さらに増加が予想される。今後、医療用機器の認定を目指すと同時に、福祉施設やスポーツクラブなどでの幅広い活用を視野に入れている。大神の吉村正(ただし)社長は「痛みを感じる前に分かり、医療費削減にもつながるなど、社会貢献できるはず」と新技術に期待を寄せる。

最終更新:5/21(火) 11:12
佐賀新聞

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