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「メジャーで勝つのは難しくない」ケプカが語った言葉の真意

5/22(水) 7:32配信

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

難攻不落のべスページ・ブラックコースを制したのは、“全米”とつくメジャーにめっぽう強いディフェンディングチャンピオンでした。

【画像】PGAオブ・アメリカとは

「メジャーで勝つのは、それほど難しくない」―大会前の公式記者会見で大舞台での強さを問われた際、ブルックス・ケプカ選手(米国)が残したコメントの一部です。その発言のみを切り取るとビッグマウスと取られかねないものではありますが、その真意は彼なりの思索がありました。

メジャー出場者は約150人。その中で純粋な実力で勝負すれば、半数には勝てる。残りの半数は、メジャーの過酷なセッティングで自滅してくれる。本当に勝負する相手は残る数人だけ。というのが、先のケプカ選手の言葉の真意です。メジャーを制した勝者だけがたどり着いたメンタル戦略が、この言葉に隠されていたのです。

私もプロゴルファーの一人として、ハンディキャップが5以内のアマチュアゴルファーの方とラウンドした場合、やさしいセッティングのコースでは確実に勝てる、とはっきり断言はできません。勝負には、運も流れも重要な要素として、関わってくるからです。ただし、プロも難しいと感じるセッティングであれば、アマがプロに太刀打ちできる確率は一気に激減するものです。

私は彼のこのコメントを聞いて、自らハードルを上げてしまったと勝手に心配していたのですが、そんな心配もどこ吹く風。快進撃は、初日のロケットスタートから始まり、最後まで他を圧倒しました。

ティショットの飛距離と方向性、コースとの相性など、勝因を挙げればキリがありませんが、一番に挙げたいのはやはり鋼のメンタル。初日から最終日の最終ホールまで、いっさい脈拍数を変えず、自分のプレーに徹していた姿は、驚きを通り越して感嘆してしまいました。

また、別のコメントをなぞると、メンタルも元々は持ちあわせた素質ではなく、これまでの経験で培ったものとのこと。「プロに入るまではすぐに感情を表に出し、(ミスをすれば)すぐにカッとなってしまう性格だった…」と過去の自分を振り返っています。それを改善する模範が、親友であるダスティン・ジョンソン選手(米国)や2010年「全米オープン」王者のグレーム・マクドウェル選手(北アイルランド)だったそうです。彼らの感情のコントロールの術(すべ)を間近にして、自らも感情に流されずゴルフをするべきことを学んだと言っています。

独走状態の反発で起こったギャラリーからのブーイングを物ともせず、最終日のバックナインでの4連続ボギーにも動じなかった精神力。それがすべて努力の末に作りあげたものならば、彼がメジャーを制していくたびにどんどん進化していくものだと思うのです。「メジャーで勝つのは難しくない」。いまの彼のメンタルをもってすれば、これほど説得力のある言葉はないように聞こえてきます。(解説・佐藤信人)

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