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「エビ中」が目指す「令和アイドル」 メンバーの悲劇、乗り越えて……新元号初のライブ会場で起きたこと

5/23(木) 7:00配信

withnews

女性アイドルグループ「私立恵比寿中学」(通称・エビ中)が、新元号「令和」に通じる曲とともに注目されている。メンバーを襲った悲劇、それを乗り越えようとするグループの歩みそのものが魅力となって、ファンをひきつけている。わかりやすいサクセスストーリーが崩れた時代に存在感を増す彼女たち。5月2日、令和になって初となるエビ中の学芸会(ライブ)で見たのは、変化を受け入れ成長につなげる、令和時代の生き様だった。(朝日新聞佐賀総局記者・上山崎雅泰)

【写真特集】令和初のエビ中ライブ、アンコールは話題の「梅」 衣装もそろいで「あの時」の姿で登場

ライブ会場に響いた官房長官の音声

私がエビ中を初めて見たのは、2012年夏にあったアイドルフェスだった。1曲目はせりふが入ったスポ根調の曲。次の曲では、ファンがキョンシーのように両腕を水平に伸ばしてピョコピョコ飛び始めた。さらに次の激しい曲では、かの有名ビジュアル系ロックバンドのパクリではと疑うような、両手でX印を作って一斉にジャンプ。「変なグループだなあ」というのが第一印象だったが、クセの強さが逆に気になり、ハマった。

この日の会場は、大阪市のライブハウス「ZeppNamba」。チケットはソールドアウト。エビ中ファミリー(ファン)を中心に約2500人が詰めかけた。

「新しい元号は令和であります」

1時間半を超す本編を終え、アンコールの声の合間を縫って突如、4月1日に菅官房長官が新元号を発表した音声が流れた。メンバーは再びステージへ。安本彩花(20)が「驚きました。音楽が聞こえなくなるまでのファンの皆さんの声がとてもうれしかったです」と振り返るほどの、悲鳴に近い歓声だった。

冬の寒さを耐え、春が来たら花を咲かせよう

アンコール1曲目は、話題の曲「梅」。そう、この曲だ。

「梅」は2013年にリリースされたエビ中の3rdシングル。作詞・作曲はヒャダイン名義でも知られる音楽プロデューサーの前山田健一さん。

サビはこうだ。

♪咲き誇れ 梅の花 桜のようには なれぬけど 雪の重みに耐えて 生き抜いた その誇りで 春を照らせ
♪舞い上がれ 梅の花 ひらり ひらひらと 散ってゆく 誰か一人は 必ず 見てるから その人のため 花を 咲かせろ UME! 有名じゃなくても UME! ひらけ! 夢の花

さらにラップで畳みかける。

♪咲け 咲け 梅の花 孤独に 耐えてるから 梅干し すっぱいのかな
♪UMEで 梅 有名に なんのが 夢 桜もいいけど たまには 梅もね うめ! 梅!

つまり、華やかな「桜」に隠れて目立たない2番手だけれども、冬の寒さを耐え忍び、春が来たら見事な花を咲かせようという歌詞なのだ。思い出してほしい。新元号発表のとき、安倍首相が語った言葉を。

「厳しい寒さの後に、春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたいとの願いを込め、令和に決定した」

ファンは、歌詞をエビ中の生き様に重ね合わせる。

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最終更新:5/23(木) 7:00
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