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「天皇決戦」叫んだ中核派、今はコミケ出展 ブースで売っていたもの 扇動的なファイル求める意外な購入者

5/24(金) 7:00配信

withnews

 新しい令和の時代が始まりました。憲政史上初めて退位で天皇陛下が代わったこともあり、世の中の空気は平成が始まった30年前とは異なります。天皇制に反対してテロ・ゲリラを繰り返した過激派を取り巻く環境も大きく変わったようです。当時、最も多く事件を起こしたとされる中核派もコミケにブースを出したり、YouTubeを使ったりしています。若い活動家は令和の時代、どんな思いでいるのか。警視庁の公安担当の記者(33)が取材しました。(朝日新聞社会部記者・小早川遥平)

コミケに現れた中核派!サークル名「みどるこあ」に集う人々 売られていたのは……

報道陣よりも早く動画中継

 「ただいま前進社に対する不当な家宅捜索が行われています!」

 3月8日の早朝、東京都江戸川区にある中核派の拠点「前進社」に警視庁などが家宅捜索に入りました。中核派の活動家が実際とは異なる住所を申告して運転免許証を取得した免状不実記載がその容疑でした。

 中に入ろうとする捜査員の列の横でカメラに向かいマイクを握っていたのは、中核派全学連の高原恭平委員長(22)。中核派にとって約40年ぶりという現役の東大生で、五輪反対のビラを1人で学内で配っていたところ、SNSでオルグ(勧誘)されたという経歴の持ち主です。

 少し前まで前進社の家宅捜索といえば、中から出てこない中核派に対し、機動隊員がエンジンカッターで鉄扉を切るのがお決まりの光景でした。それが報道陣よりも早く家宅捜索の様子を撮影し、捜査の不当性を訴える動画をYouTube上のチャンネルで発信しているのです。いったい何があったのでしょうか。

平成の幕開けにもテロ繰り返す

 中核派は、革命で共産主義体制の実現をめざす過激派の一つです。日本共産党から分かれた日本革命的共産主義者同盟(革共同)が1963年に中核派と革マル派に分裂しました。過激派は爆弾や時限式発火装置を使うことをいとわず、警察当局は「極左暴力集団」と呼んでいます。

 その学生組織である全学連は「全日本学生自治会総連合」の略です。過激派は活動家を大学自治会の役員にするなどして各校に拠点を置き、それぞれの影響下にある連合組織を独自に作りました。なので、かつて内ゲバを繰り広げた革マル派にも全学連はありますが、全く別の組織です。

 昭和の終わりに生まれた記者にとって、過激派は1960、70年代の安保闘争やベトナム反戦運動などのイメージが強いですが、実は平成の幕開けにもテロ、ゲリラを繰り返していました。労働者階級による革命をめざす過激派にとって、天皇制の打倒は主要な闘争課題の一つだったのです。

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最終更新:5/24(金) 7:00
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