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「満員電車で快適に過ごすための動き方」を物理シミュレーションで解き明かす

5/22(水) 7:00配信

ITmedia NEWS

 新年度が始まって1カ月がたった。この4月に新しい職場、新しい部署、新しい環境で生活を始めた人も多いだろう。

【満員電車の快適な過ごし方】

 特に新社会人は早速「満員電車」の洗礼に遭ったのではないだろうか。朝の特定時間帯における通勤電車は常軌を逸した乗車率となりがちで、4月はTwitterで「満員電車」がトレンド入りする日もあった。

 熟練の社会人たちは、長年の経験から混雑した電車内において、瞬時に人の流れを察知し、うまく乗降者のラインコントロールを行い、不用意に人とぶつかることを避けることができるだろう。

 しかし、満員電車に慣れていない人たちが多いとポジショニングが難しかったり、動き出しのタイミングをつかめなかったりするため、乗客同士の衝突が生じ、“お客さま同士のトラブル”による電車遅延が発生することになりかねない。

 そこで、本記事ではデータサイエンティストである筆者が、仮想空間における3D物理シミュレーションを駆使して混雑時の人の流れを再現し、電車内の“総衝突回数”(電車内の乗客全員の衝突回数の総数)や“降車完了時間”が短くなるような、乗客の理想の動き方を分析する。

 本記事のシミュレーション結果を参考に、少しでも快適な通学・通勤をする人が増えることを望む。なお、ここでは混雑緩和のための施策は言及しない。その点は筆者ではなく、しかるべき立場の方々が真剣に議論・対策を検討しているはずである。

前提条件:都心に向かう通勤電車の物理シミュレーション

 都心に向かう電車を想定する。車両は4ドア(1車両当たり8つのドア)で、座席数は両端の3人掛け優先席、ドアとドアの間にある7人掛け席の計54席とする。

 次に満員電車での人の動きを再現するため、混雑率が190%になるように人を配置する。想定するのは「1車両当たりの定員が135人程度で座席(54席)は満席、なおかつ立っている人が209人いる」という状態だ。

 ちなみに、車両サイズと定員は各電鉄会社が仕様を公開している。また混雑率は、国土交通省が主要路線における最混雑時間帯1時間の平均混雑率の調査結果を発表している。本記事のモデルは特定路線をそのまま再現したものではないが、上記データを参考にした。

 これらを前提に、独自にサラリーマンおよび電車を3Dモデリングし、さまざまな条件で人の動きをプログラミングのうえ、物理シミュレーションを行った。なお、満員電車の乗客はサラリーマンに限らないが、今回の分析では人の違いに重点を置いていないため、モデリングを簡易化するため満員電車に苦しむ象徴的なアイコンとして男性サラリーマンを採用した(すなわち筆者の分身である)。

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最終更新:5/22(水) 7:00
ITmedia NEWS

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