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商品が上下左右に動く「謎の自販機」が、数年後に増えそうな理由

5/22(水) 8:20配信

ITmedia ビジネスオンライン

 京成上野駅の構内をフラフラしていると、ちょっと気になるモノが目に飛び込んできた。サイネージの画面に、漫画『キン肉マン』のフィギュアやリトグラフ(版画の一種)などが並んでいて、それらの商品が左右にゆっくり動いていたのだ。

【画像】京成上野駅の構内に「謎の自販機」が登場

 「な、なんだよ、それは。意味が分かんねえなあ」と思われたかもしれない。記者もいくつかの「?」が並んだので、その謎マシーンを触ってみた。すると、スマートフォンの画面のように、スクロールすると商品が上下左右にどんどん流れていくのだ。

 周囲をよーく見ると、ショーケースがあって、そこに『キン肉マン』の商品サンプルが展示されていた。「これ欲しいなあ」となれば、謎マシーンで購入することができるのだ。気になったモノをタップすると、QRコードが表示されるので、それをスマホのカメラで読み取れば終わり。後日、自宅などに送られてくるといった仕組みである。

 マシーン名は「MISE-demo(ミセデモ)」。店舗の企画やデザインなどを手掛けるタッグ(東京都千代田区)という会社が展開していて、京成上野駅に今年3月、1号機を設置した。同社の担当者は「ミセデモは2020年中に、都内を中心に100台設置する」と話していたが、なにもテキトーなことを言っているわけではない。

 今後、他の駅や商業施設、高速道路のSAなどでも展開する予定だという。また大手企業との提携が決まっているので、数年後には「最近、街中でよく見かけるようになったなあ」「そーいえば、この前、ミセデモで商品を買ったよ」といった人が増えているかもしれない。

 ECサイトと自販機が合体したような、これまでになかった“店舗”を設置して、どのようなことが分かってきたのか。また、今後はどんな展開を考えているのか。タッグの湯本健司社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

「世界最強の坪効率」をうたった“店舗”

土肥: 京成上野駅の構内に「世界最強の坪効率」をうたった“店舗”が登場しました。広さは、1畳ほど。商品サンプルを飾るショーケースがあって、「これいいなあ」と思ったら、隣に設置している自販機のタッチパネルを操作することで購入することができる。ECサイトと自販機が合体したシステムは、どういった経緯で開発することになったのでしょうか?

湯本: 当社は40年以上、いわゆる“店づくり”を手掛けてきました。企画、デザイン、設計、施工などを行っていて、これまでどんな店をつくってきたのか。駅の売店、飲食店、携帯電話のショップ、自転車店など、さまざまな業界の店をつくってきました。

 ただ、ECサイトの誕生によって、苦戦を強いられる店が増えてきました。こうした声を聞いていくなかで、会社として何かできることはないかと考えました。これまでにない新しい店舗を開発しなければいけないと考え、VR(仮想現実)を使って商品を購入できる仕組みをつくることに。利用者はマウスを操作して店舗を移動することができ、空間内に陳列された商品を購入できるシステムを開発しました。

土肥: (実際に見て)うわっ、これメチャメチャきれいですね。肉眼で見えないモノも、画面で確認することができる。

湯本: このシステムを使えば、Webブラウザ上に高精密な画像を再現することができる。ただ、問題がひとつありました。時代を先取りし過ぎていたんですよね。世の中の2~3歩先を歩いていたので、1歩下がることにしました。

 1歩下がるとは、どういうことか。仮想空間だけで買い物をしてもらうのではなくて、リアルに店舗を設置して、不特定多数の人に見てもらうモノにしようと考えました。こうした背景があって、ECとリアル店舗を融合した売り場を開発することに。こうして、「ミセデモ」が完成しました。

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最終更新:5/22(水) 8:20
ITmedia ビジネスオンライン

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