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夫はある日、女性になる決意をした。2人の”妻”の思い

5/22(水) 17:57配信

BuzzFeed Japan

自分の気持ちに蓋をして生きた

エリンさんが自身のジェンダーについて悩み始めたのは、まさに三男と同じような年齢の時。当時すでに「自分は女なのかもしれない」という自覚はあったという。「けど体は男の子で。とにかく本を読むことで現実逃避をしました」。

エリンさんが生まれ育ったのは、米国の中でも保守派が多く住むテキサス州の郊外。今ではLGBTに対する理解も深まったが、70、80年代のテキサスでは「自分が女かもしれないなんて言い出せる状況でもなかった」

「とにかく男のふりをして、うまく生きようと努めていたように思う」

1994年に早稲田大学に留学し、留学終了後も日本へ戻り、英語を教えたりしながら、日本でロックなどの音楽シーンにも関わった。

そんな中で出会ったのが緑さん。友達としての付き合いからだったが、2000年にエリンさんが米国で博士課程を取るために帰国する際に、正式に籍を入れて共に渡米した。

米国では長男と次男が生まれ、東京都内の私立大での就職が決まったために家族全員で日本へ移住した。

立ちはだかる法律の壁

母国での性別変更を終えた今、エリンさんと緑さんが直面しているのは、日本での書類上の2人の関係性とエリンさんの性別表記だ。

日本では法律上で同性婚が認められていないが、エリンさんが米国で性別変更をしたために、2人は今、事実上の同性婚状態になっている。

エリンさんが住民票上での性別を変更しようとした際、区役所の職員に、緑さんの「妻」という項目を「縁故者」という表記に替えることなどを提案された。それは2人にとって受け入れがたかったため、表記変更はせず、総務省など国からの返答を半年以上待っている状態だ。

「前より幸せになった?」

緑さんは話す。

「トランスジェンダーについては私もまだ理解できない部分も少しはあるかもしれない。でもこの人以上の人はいないと思っているし、ずっと一緒に生きていきたい」

たまに性別変更にあたって体のことで配慮のない質問をされることもあるが、エリンさんにとって最も印象的だったのは、ある知人に聞かれた質問。

「性別を変えて、前より幸せになった?」

幼少期から40年以上、自身のジェンダーに疑問を感じて生き、時にはその湧き上がる思いや葛藤を押し殺してきた。

家族や友人の理解も得られた上で治療をして性別も変更した今、その問いに対する答えはもちろん、

「うん。幸せになったよ」

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最終更新:5/22(水) 17:57
BuzzFeed Japan

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