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どうなるファーウェイ、3キャリアは発売延期の動き(石野純也)

5/22(水) 14:34配信

Engadget 日本版

各キャリアから相次いでP30シリーズの発売延期が発表されましたが、これも状況がまだ完全に見えていないためです。現時点では、3カ月でサポートができなくなってしまう可能性があり、メジャーアップデートも難しくなっています。現時点ではファーウェイやグーグルから確約を取るのが難しく、影響範囲が見極めづらいため、とりえあず、発売日を先送りしたのが真相といえます。

さらにいえば、例年、秋に発表されていたMateシリーズや、来年以降のPシリーズがどうなるかも未知数です。ファーウェイとしても、既存の端末だけではビジネスが厳しくなってしまうため、何らかの対策を講じる必要はあります。それが先か、政治的な決着が先かは不透明ですが、この状況が続くのは、スマートフォンを取り巻くエコシステム全体にとって、あまり好ましいことではありません。

アップルを抜き、世界シェア2位になったファーウェイは、その部材調達も膨大です。日本企業からも年間6700億円相当(2018年)の部材を購入しており、新端末の発売ができないとなると、甚大な影響を受けます。中には、業績の大幅な下方修正を迫られる企業も出てきてしまうでしょう。日本のみならず、当の米国にも調達先はあり、呉氏が述べていたように、「アメリカの社会に対しても巨額の損失をもたらす」のは必至です。

Androidのエコシステムへの悪影響も懸念されます。呉氏のコメントにもありましたが、ファーウェイはAndroidに対して、さまざまな貢献をしてきました。昨年11月に中国・深センで同社のソフトウェア開発をリードするソフトウェアエンジニアリング部門社長の王成録氏にグループインタビューした際には、ファイルシステムやナビゲーションバー、省電力機能、PCモードなど、ファーウェイで開発したさまざまな機能がAndroidに取り入れられてきたことが語られています。

当然、総販売台数の低下につながれば、Androidのエコシステム拡大にとってもマイナスです。グーグルがいち早く声明を出した背景には、こうした事情もありそうです。

加えて強調しておきたいのは、やはりユーザーの選択肢が減ってしまうこと。特にP30やP30 Proは、そのカメラ機能が高く評価されており、カメラ画質の評価機関であるDxOMarkでは、P30 Proがサムスンの「Galaxy S10 5G」と並んでトップスコアを記録しているほか、ベスト5の中の3台がファーウェイ製端末で占められているほど。将来、これを超える端末が出せなくなるとすれば、率直に言ってユーザーにとっての損失にほかなりません。

政治的な色合いが強い今回の対ファーウェイ制裁ですが、業界全体はもちろん、ユーザーに悪影響をおよぼしているのは残念でなりません。今後の展開にも、注目しておきたいところです。

石野純也 (Junya Ishino)

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最終更新:5/22(水) 14:34
Engadget 日本版

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