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『プロメア』ルチア・フェックス役の新谷真弓に聞く作品の魅力「2時間ほどずっと自己紹介しています」【インタビュー】

5/22(水) 22:30配信

超!アニメディア

『天元突破グレンラガン』『キルラキル』のTVシリーズを手掛けた監督・今石洋之と脚本・中島かずきが再びタッグを組み制作するオリジナル劇場アニメーション映画『プロメア』。本作において主人公のガロが所属する消防隊〈バーニングレスキュー〉のメカニック担当のルチア・フェックス役を務めるのは数々のTRIGGER作品で個性の強いキャラクターを演じる新谷真弓である。超!アニメディアでは新谷さんにインタビューを敢行。『キルラキル』をはじめ、今石&中島タッグ作品にこれまでも出演してきた彼女に、作品・キャラクターの魅力についてお話いただいた。

映画『プロメア』場面カットを紹介

【プロメアストーリー】
世界大炎上――突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉の炎によって世界の半分が焼失してから30年、一部の攻撃的な面々は〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。彼らが引き起こす火災を鎮火すべく、司政官クレイにより結成された高機動救命消防隊〈バーニングレスキュー〉の燃える火消し魂を持つ新人隊員ガロは、〈マッドバーニッシュ〉のリーダーであるリオと出会い、激しくぶつかり合う。
そんな中、リオからバーニッシュをめぐる衝撃の真実を告げられることに。さらにガロたちは地球規模で進められている“ある計画”の存在を知ることになる――。

――今回、新谷さんが演じられるキャラクターの紹介をお願いします。

 私が演じるルチアはガロが火消しする際に装着する消火武装装甲「マトイ」や作中で登場するマシンなどを調整しているメカニックです。言うなればガロが所属しているバーニングレスキューの後方支援担当ですね。性格的にはフランクな皮肉屋というか、ちょっとひねくれています。ただ、そのひねくれた発言をするなかに仲間を心配する気持ちがあったり、バーニングレスキューをメカニックの腕できっちり支える能力と気概もあるというキャラクターです。『プロメア』は『キルラキル』などと比べると女性キャラクターが暴走する男性陣を抑える、支える役割が多いんです。ただ、ルチアはわりと男たちのなかに混ざってやんちゃができる役でしたので、楽しく演じさせていただきました。

――のびのびと演じられた?

 そうですね。

――アフレコではどのようなディレクションがありましたか?

 実は私、他のお芝居のスケジュールもあって、ちょっと遅れて本作のアフレコに参加したんです。にも関わらずテストも他の方との話し合いも打ち合わせもなく、いきなり「じゃあ、やりましょうか。もう、みんな録っているから」という感じでスタジオに放り込まれたんですよ。まぁ、ダメだったら何か言われるだろう、最悪、後で抜きにしましょうか、と言われるかなと思っていたら「はい、それで!」という感じで、いきなりOKが出たんです。

――テストもしていないのに、スムーズに進んだんですね!

「テストだと思ってやっていたのに今のでいいんですか?」と聞いたら「えっ、大丈夫でしょ」って言われました。この人たち、早く終わって飲みに行きたいだけなんじゃないのかなと疑うくらいスムーズに進んだので逆にこっちが心配でした(笑)。

――なるほど(笑)。

 これは後から聞いた話なんですけども、アフレコのときに私がセリフを言う度にかずきさんが台本と照らし合わせながら「あー、はいはいはい、そうくると思ったよ!」「よし、新谷、その方向だ!」とか全部実況解説して下さってたらしいんです。どうもかずきさんの作戦通りだったようですね。同じセリフを繰り返すところなんかは「そうだよね、一回目大きく言って次で外す。それだよね。分かってた」といった感じで……。ありがたくもあり、何のコーチだよ!とつっこみたくもあり、なんだか嬉し恥ずかしでした(笑)。まぁ、結果的にではありますが、期待されたものを返せてよかったです。

――中島さんたちから信頼されているんですね。

 どうなんですかね。信頼というより読まれているんじゃないですか。「新谷ならこうやってくるだろう」って。私もこうやって欲しいのかなと思って準備するので、読み合いなんだと思います。その点でいえば、TRIGGERさんの作品って、台本にないセリフでも尺が余っていたら好きなことを言っていいみたいな風潮があって(笑)。例えば、セリフを入れるタイミングが終わっていても絵コンテでギャーと叫んでいたら、私も叫ぶセリフを入れてみるとか。それも読み合いなんです。普通の現場だったら「いまのはテストだけですよね?」って釘刺されるところを、今石さんの場合は「普通に言ったら尺余っちゃいます? じゃあ適当に入れといてください」と言われることも多くて。いつもお互いによく分からないサービスをするから、セリフも盛り盛りになるっていうのがTRIGGERさんの作品です(笑)。最終的に採用されないアドリブもありますが、こういうノリで進むアフレコはTRIGGERさん特有のものかもしれません。

――役者としてはそれが楽しい?

 私は楽しむタイプですが、役者によってはそれがプレッシャーになる方もいらっしゃると思います。声優さんは本来そういうことを求められる職業ではないですからね(笑)。決められたセリフをキチっと言うのがお仕事。書いてないことを言うというのは本来はやってはいけないことですから。

――どの範疇でやっていいのか、自分だけではジャッジはできないですもんね。

 そうなんです。ただ、かずきさんと今石さんの場合はそれをしても許される。むしろ、それを含めてのお芝居を求められていると思っています。

――ちなみに、『キルラキル』のときはどうだったのですか?

そもそも、『キルラ』(キルラキル)のときはアニメの声優をするのが8年ぶりだったので……。

――しばらく舞台やドラマのお仕事に専念されていらっしゃったんですよね。

 はい。最近はメディアミックスも増えてきて声のお仕事も舞台のお仕事もする声優が増えてきていますが、当時はまだ両立が難しい時代だったので、アニメをやりたい気持ちはあれども縁遠くなっていました。そんなとき、舞台を通じてずっと親交のあったかずきさんが「久しぶりにやってみないか」とお声がけくださったんです。また、今石さんも「久々に新谷とやりたいな」とおっしゃってくださったので、そこまで言っていただけるならとお仕事をお請けしました。

――そういった背景があるんですね。

 ただ、アニメのアフレコが久々すぎて怖かったですね。色々と忘れているし、もう緊張しっぱなしでした。実際に音響監督さんから「アニメなので、アニメっぽい演技をしてください」と言われたこともあります。しかも、実力派の声優さんばかりの現場だったので、もう追いつくので精一杯。それでも前に現場でご一緒したことがあるゆずちゃん(柚木涼香)とか、小西(克幸)さんとか、三木(眞一郎)さんから励まして頂いたり、四天王の(稲田)徹さん、檜山(修之)さん、吉野(裕行)さんと仲良くなりながら、何とかアフレコを進めることができました。のびのびと演じられるようになったのは、『キルラ』の第7話~8話、壊惨総戦挙のあたりですかね。それまでの芝居は自分でもぎこちないなと感じます。

――なるほど。『キルラキル』以降は声のお仕事も積極的にされていますね。

『キルラ』がすごく面白くて楽しかったんです。自分のお芝居を見ても、周りの方をみても声のお芝居の醍醐味ってこういうことだよなって感じたんですよね。もっと声のお仕事をやりたいなと思えるようになったのは『キルラ』のおかげです。

――醍醐味というお話がありましたが、舞台などの女優としても活躍される新谷さんは声のお芝居の魅力とはどういう点だと感じていらっしゃいますか?

 声のお仕事、特にアニメだと自分の等身大から遠いものでも演じられるというのが一番の魅力なのかなと思っています。生身でやっていると、自分が年を重ねていくとどうしてもできる役に制限が出てくるんですよね。例えば日本の映画やドラマだと40代になってくると、お母さんや近所のおばさんや先生みたいな役が多くなる。ただ、アニメであれば年齢に関係なく男の子だって、動物だって、妖怪だって演じることもできる。お芝居でリアルな自分を飛び越えられるんですよね。舞台も近いところがありますが、自分自身のパーソナリティ以外の部分を広げられるというのは何とも言えない魅力だし、演じるうえでの楽しさだと思っています。

――アニメだと生身の自分が絵として出るわけではないですからね。

 そうです、そうです。キャラクターの絵ありきでお芝居ができるのは楽しいです。

――本日は色々とお話いただきありがとうございました。最後に本作の見どころについて語っていただければと思います!

 かずきさんの本って開けたときの漢字の量とト書きがすごく多いんです。

――えっ(笑)。

 情報量が異常なんですよ(笑)。『プロメア』もそうですが、かずきさんが描く世界は、世界観が独特で、独自のマシンや作品固有の表現も多いんです。だからこそ、説明をするセリフもいっぱいある。普通の会話劇や等身大の物語とは違うセリフ回しが多いんです。それをどれだけ熱く、魂を込めていえるかが肝になっていると思います。

――ナレーションでも会話劇でもないセリフ。

 そうそう! あと、かずきさんの脚本の登場人物って基本的には自分の都合を言っている人たちばかりなんですよね。「俺はいまこうなんだ!」「私だってこうよ!」みたいにそれぞれが状況説明をするみたいな(笑)。そういう我が強い人たちが自分の道、生きざまをセリフで表現しているんです。言うなればキャラクターがずっと自己紹介している感じ。それもかずきさんの脚本の醍醐味なんじゃないかな。

――常に「俺はこうだ!」と主張している。

 そうなんですよ。本作の主人公であるガロもリオも2時間ほどずっと自己紹介をしている。どっちが強い自己紹介ができるかで張り合っている気がします。

――そこに彼らの生きざまが詰まっているんですね!

 きっとそうなんだと思います。あとは、バトルや熱いセリフだけでなく、人間関係の会話も軽快ですごく面白いです。これも今石さんとかずきさんの真骨頂なんじゃないかな。『キルラ』で言えば(纏)流子と(満艦飾)マコの普段のやり取りなんかは観ていて楽しいですよね。『プロメア』でもバーニングレスキューの面々が一緒にご飯を食べに行くという描写があります。このやり取りなんかも普段の仲の良さが垣間見えて素敵なシーンですね。あとは、バーニングレスキューの一員であるアイナとガロの関係。アイナはガロに対してほのかなラブを見せかけるんだけども、ガロは塩対応なのもある意味かずきさん節ですね(笑)。こういった日常パートも味があるので、注目していただけると嬉しいです。

 映画『プロメア』は5月24日(金)全国ロードショー。

【プロフィール】
新谷真弓【しんたに・まゆみ】広島県出身。11月6日生まれ。ケンユウオフィス所属。声優としての主な出演作は『彼氏彼女の事情』芝姫つばさ役、『キルラキル』蛇崩乃音役、『デュエルマスターズ!』ダチッコチュリス役、『SSSS.GRIDMAN』六花ママ役ほか。劇団ナイロン100℃の劇団員としても活躍している。

(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

最終更新:5/22(水) 22:30
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