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ダルビッシュがひと晩で2度、見せたリスペクト

5/22(水) 17:32配信

J SPORTS

カブスのダルビッシュ有投手が、何かに気付いたようにマウンドを降り、二塁ベースとの間でボールをこね出したのは、現地5月20日の月曜日の夜、地元シカゴでのフィリーズ戦の二回表に一死を取った直後のことだった。

打席に入ろうとしていたのは、フィリーズの「9番・投手」ジェイク・アリエッタ。ダルビッシュと投げ合っていた相手である。

「(試合前は)考えてなかったですけど、これ多分、スタンディング・オベーションするなって思って」

ダルビッシュがそう言ったのは、6回4安打3失点、7三振3四球で降板した試合後のことだった(延長十回4-5で敗れた)。

スタンディング・オベーション=観客が総立ちになって声援を送る儀式。

カブス・ファンがそれを行ったのは、アリエッタがノーヒットノーランやサイヤング賞を獲得し、2016年のワールドシリーズ優勝に貢献した元カブスの人気選手だったからだ。

「(観客が)最初は立ち上がらなかったから、僕が後にいてちょっとゆっくりしておけば、皆が立ち上がるだろうと思って。普通はあんなに後ろまで行かないけど、あそこまで行ったら観客の人たちもアリエッタの方を見て立ち上がるかな? と」

カブスの地元メディアはこの日、「ダルビッシュ対アリエッタ」を好奇の視線で見ていた。

それは地元の元人気選手アリエッタがフリーエージェント(FA)でチームを去った後にカブスに加入したのが、他ならぬダルビッシュだったからだ。

去年の夏、ダルビッシュが腕の怪我に悩まされて期待外れの成績に沈んでいた頃、数あるバッシングの中には「どうしてアリエッタと再契約せず、ダルビッシュなんか獲得したんだ?」という類のものも含まれていた。

それを煽っていたのは幾つかの地元メディアであり、それはダルビッシュがいまだに完全には復調してないことで、再燃する可能性を秘めていたのだ。

もちろん、当の本人は、そんなこと気にも留めていなかった。

「自分をよく見せてやろうとか、いいピッチングを見せてやろうとか思ってる時はいい方向に行かない。だから、そうじゃなくて、今は自分のことを考えて、何をしなきゃいけないのかとか、打者のことを考えてとか、そういうことに集中力を使おうと思っている」

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最終更新:5/22(水) 17:32
J SPORTS

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